【要約&レビュー】『贖罪』娘を殺された母の呪いが4人の少女の人生を狂わせる
贖罪
著者: 湊かなえ
ジャンル: 小説
試し読みもできます
Amazonで『贖罪』をチェックする3行で分かるこの本のポイント
- 15年前に殺された少女——犯人の顔を思い出せない4人の友人
- 娘を喪った母が4人に突きつけた**「あなたたちに会って一生許さない」という呪い**
- 「贖罪」を求められた4人の少女たちの歪んだ人生を描く湊かなえのイヤミス
この本はこんな人におすすめ
- 湊かなえのイヤミスが好きな方
- 人間の闇を描いた小説に興味がある方
- 複数視点で構成されるミステリーが好きな方
- 後味の悪い小説が好きな方
独自5段階評価
| 項目 | スコア |
|---|---|
| 読みやすさ | ★★★★☆ |
| ストーリーの引き込み力 | ★★★★☆ |
| 再読したい度 | ★★★☆☆ |
| 初心者おすすめ度 | ★★★☆☆ |
| 後味の悪さ | ★★★★★ |
要約・内容紹介
あらすじ
15年前、静かな田舎町で小学生の女児エミリが殺害されます。直前まで一緒に遊んでいた4人の少女は、犯人と思われる男と言葉を交わしていたにもかかわらず、なぜか顔を思い出せません。事件は迷宮入りに。
娘を喪った母・麻子は4人に告げます。「犯人を見つけなさい。それができないなら、私が納得する方法で贖罪しなさい」。この言葉が、4人のその後の人生を決定的に歪めていきます。
4人の贖罪
物語は4人の少女が大人になった姿を、それぞれの一人称で描きます。教師になった者、結婚した者、刑事を目指した者。4人は麻子の呪いに縛られ、それぞれの形で「贖罪」を果たそうとしますが、その努力は歪んだ方向へ向かっていきます。
母の呪い
麻子の「贖罪しなさい」という言葉は、4人にとって呪いそのものです。罪悪感と恐怖が入り混じったその呪縛は、15年経っても解けない。母の怒りは正当なのか、それとも行き過ぎなのか。読者もまた問われます。
読んだ後に残ったこと
親として、麻子の気持ちが痛いほど分かります。自分の子どもが殺されたら、犯人を見つけられなかった子どもたちを恨むか。理性では「子どもたちは悪くない」と分かっていても、感情は別です。
湊かなえは人間の「理不尽な怒り」を書くのが上手い。麻子の怒りは正当であり、同時に4人への仕打ちは理不尽でもある。この矛盾が物語のエンジンになっている。読後のモヤモヤが消えない、それが湊かなえの真骨頂です。
読者の評判・口コミ
楽天レビュー1,070件超え、評価3.75。「湊かなえらしいイヤミス」「贖罪というテーマが重い」「4人の物語が交差する構成が見事」という声がある一方、「暗すぎる」「救いがない」「告白ほどのインパクトはない」という声も。
黒沢清監督によってドラマ化もされた、湊かなえの代表作の一つです。
良い点
- 「贖罪」というテーマの重さと深さ
- 4人の一人称で語られる多角的な構成
- 湊かなえらしい後味の悪さ
注意点
- テーマが重く暗い
- 後味が非常に悪い
- 救いを求める方には向かない
この本の前後に読む本
前に読む本: 『リバース』。同じ湊かなえのミステリー。過去の罪と向き合う物語として、本書の導入に最適です。
後に読む本: 『少女』。同じ湊かなえの作品。少女たちの闇を描くテーマが通じています。
読了データ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ページ数 | 約300ページ |
| 読了時間の目安 | 4〜5時間 |
| 図解・イラスト | なし |
| 難易度 | ★★☆☆☆(読みやすいが内容は重い) |
まとめ
『贖罪』は、殺された少女の母が4人の友人に突きつけた「贖罪」の要求が、彼女たちの人生を歪めていく湊かなえのイヤミスです。母の怒りは正当か、それとも呪いか。読後に答えが出ない、考え続けさせられる一冊です。
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Amazonで『贖罪』をチェックするこの記事を書いた人
ゆう
フリーライター
フリーライター。WEBビジネス歴10年以上。3歳の息子を持つパパでもあり、育児と仕事の合間に年間200冊以上を読破。「この本で世界の見方が変わった」という体験を読者と共有したいと思いこのサイトを始めました。