【要約&レビュー】『水車小屋のネネ』家を出た姉妹とヨウムのネネ——津村記久子が本屋大賞ノミネートで描く希望と再生の長編

レビュアー: ゆう
水車小屋のネネ

水車小屋のネネ

著者: 津村 記久子

ジャンル: 小説

★★★★(4/5)
#小説#津村記久子#本屋大賞ノミネート#家族

3行で分かるこの本のポイント

  • 身勝手な親から逃れ姉妹で生きる決意をした理佐と律の物語
  • ヨウムのネネが暮らす水車小屋で働く人々との40年間の交流
  • 津村記久子が描く本屋大賞ノミネートの希望と再生の傑作長編

この本はこんな人におすすめ

  • 津村記久子作品のファン
  • 家族・姉妹を描いた物語が好きな方
  • 本屋大賞ノミネート作を読みたい方
  • 動物が登場する心温まる物語が好きな方

独自5段階評価

項目 スコア
読みやすさ ★★★★★
ストーリーの引き込み力 ★★★★☆
家族描写の繊細さ ★★★★★
40年の時の流れの表現 ★★★★★
津村記久子らしさ ★★★★★

要約・内容紹介

姉妹の決意

「家出ようと思うんだけど、一緒に来る?」——18歳の姉・理佐は、妹の律にそう告げます。身勝手な親から逃れ、姉妹で生きることに決めた二人——。

理佐は地方のそば屋で働くことになり、そのそば屋には水車小屋がありました。そこには、ヨウム(大型のインコ)のネネが暮らしていたのです。

水車小屋のネネと人々

ネネの世話をする番人として働き始める青年・聡、後に水車小屋に現れる中学生・研司——。姉妹を中心に、水車小屋を訪れる様々な人々との交流が描かれます。

10年ごとに時が進み、40年間にわたる登場人物たちの人生の変遷が丁寧に綴られる構成。津村記久子さんの繊細な筆致で、登場人物たちが本当に生きているかのような存在感で描かれます。

津村記久子の本屋大賞ノミネート作

本作は2023年刊行。2024年本屋大賞ノミネート、第45回野間文芸新人賞受賞と、評価の高い一冊です。

『ミュージック・ブレス・ユー!!』『ポトスライムの舟』などで知られる津村記久子さんですが、本作はその集大成と言える傑作。「淡々と描かれる日常の中の奇跡」が、読者の心を温めます。

読んだ後に残ったこと

僕はこの本を読んで、「家族は作るもの」と改めて感じました。血のつながりがあっても、うまくいかない家族もある。一方で、血のつながりがない人々との間に、家族以上の絆が生まれることもある。

3歳の息子と築く家族の形、フリーランスの仕事仲間との繋がり——。人生で「家族」と呼べる場所はいくつも作れる。本書は人間関係を見直すきっかけをくれた一冊でした。

読者の評判・口コミ

楽天レビュー799件超え、評価4.2と高評価。「津村記久子の最高傑作」「40年の時の流れが美しい」「ネネが愛しい」という声が多いです。

「展開がゆっくり」「派手な事件はない」という意見もありますが、本屋大賞ノミネート作として高い評価を得ている一冊です。

良い点

  • 40年の時の流れの見事な表現
  • 姉妹と周囲の人々の温かい交流
  • 津村記久子の繊細な筆致

注意点

  • 展開がゆっくり
  • 派手な事件はない
  • 長編で読むのに時間がかかる

この本の前後に読む本

前に読む本: 『こちらあみ子』。今村夏子の芥川賞候補作。先に読むと繊細な家族描写に馴染めます。

後に読む本: 『そして、バトンは渡された』。瀬尾まいこの本屋大賞受賞作。本書の後に読むと家族小説の幅が広がります。

読了データ

項目 内容
ページ数 約400ページ
読了時間の目安 5〜6時間
図解・イラスト なし
難易度 ★★☆☆☆(読みやすい文体)

まとめ

『水車小屋のネネ』は、身勝手な親から逃れて姉妹で生きる決意をした理佐と律の40年間を描く、津村記久子の本屋大賞ノミネート作です。水車小屋のネネと共に紡がれる希望と再生の物語。心に残る傑作です。

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この記事を書いた人

ゆう

フリーライター

フリーライター。WEBビジネス歴10年以上。3歳の息子を持つパパでもあり、育児と仕事の合間に年間200冊以上を読破。「この本で世界の見方が変わった」という体験を読者と共有したいと思いこのサイトを始めました。