【要約&レビュー】『夜明けのすべて』PMS×パニック障害——不器用な二人が見つけた優しい夜明け

レビュアー: ゆう
夜明けのすべて

夜明けのすべて

著者: 瀬尾 まいこ

ジャンル: 小説

★★★★(4/5)
#小説#瀬尾まいこ#感動#映画化

3行で分かるこの本のポイント

  • PMS(月経前症候群)に苦しむ藤沢さんとパニック障害を抱える山添くん——二人の「しんどさ」がリアルに描かれる
  • 恋愛ではなく**「ちょうどいい距離感の友情」**で支え合う新しい人間関係
  • 2024年映画化(松村北斗×上白石萌音)——瀬尾まいこの温かさが詰まった本屋大賞ノミネート作

この本はこんな人におすすめ

  • 心が疲れていて優しい物語に癒されたい方
  • PMSやパニック障害に理解を深めたい方
  • 恋愛ではない男女の関係を描いた小説が好きな方
  • 瀬尾まいこ作品を読んでみたい方

独自5段階評価

項目 スコア
読みやすさ ★★★★★
ストーリーの引き込み力 ★★★★☆
再読したい度 ★★★★☆
初心者おすすめ度 ★★★★★
温かさ ★★★★★

要約・内容紹介

あらすじ

藤沢さんは月に一度、PMSで別人のようにイライラしてしまう。山添くんはパニック障害で、突然動けなくなる。二人は小さな栗田科学という会社で出会います。

お互いの「しんどさ」を知っているからこそ、無理に励まさない。「大丈夫?」とは聞かず、ただそばにいる。そんな二人の距離感が、読んでいて心地よい。

恋愛ではない関係

この小説が新鮮なのは、男女の主人公が恋愛関係にならないこと。友情ともちょっと違う、「同じ夜を過ごしている仲間」のような関係。それが押しつけがましくなくて、とても自然です。

栗田科学という居場所

二人が働く栗田科学は、プラネタリウムのキットを作る小さな会社。社長の栗田さんの温かさが、職場を「居場所」にしている。病気を抱えながら働くことの現実と、それを受け入れる周囲の姿が丁寧に描かれています。

読んだ後に残ったこと

「知ってる?夜明けの直前が、一番暗いって」。この言葉が読後ずっと残っています。

妻がPMSで辛い時期に、僕は「何かできることある?」と聞いていたのですが、この本を読んで「何もしないでそばにいる」ことの方が大事なのかもしれないと気づきました。山添くんのように、ただ同じ空間にいるだけでいい。

藤沢さんと山添くんの関係が恋愛にならないところも好きです。世の中の物語は男女が出会えば恋愛に発展するものが多いけど、この二人は「同じ夜明けを待っている仲間」。そういう関係もあっていいんだと思えました。

読者の評判・口コミ

楽天レビュー1,010件超え、評価4.25。「温かくて泣ける」「押しつけがましくない優しさが心に沁みる」「映画も観たくなった」という声が多数。2024年映画化で再注目されています。

「展開が地味」「もう少し深掘りしてほしかった」という声もありますが、この「静かさ」こそが本書の魅力だと思います。

良い点

  • PMSとパニック障害の描写がリアルで丁寧
  • 恋愛に頼らない男女関係の新鮮さ
  • 読後に優しい気持ちになれる

注意点

  • 劇的な展開を求める方には物足りない
  • 病気の描写が辛く感じる方もいる
  • 瀬尾まいこの作風が合わないと退屈に感じる可能性

この本の前後に読む本

前に読む本: 『月の立つ林で』。青山美智子の連作短編集。同じく温かい読後感の小説として、気持ちを整えてから読むのがおすすめです。

後に読む本: 『成瀬は都を駆け抜ける』。同じく現代を生きる人を描いた小説。夜明けの静けさの後に、成瀬の爽快な疾走感を楽しめます。

読了データ

項目 内容
ページ数 約240ページ
読了時間の目安 3〜4時間
図解・イラスト なし
難易度 ★☆☆☆☆(非常に読みやすい)

まとめ

『夜明けのすべて』は、PMS×パニック障害という題材を通じて、人と人の「ちょうどいい距離感」を描いた瀬尾まいこの温かい小説です。夜明けの直前が一番暗い。でも、一人じゃないと思えるだけで、少し楽になる。そんな優しさが詰まった一冊です。

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この記事を書いた人

ゆう

フリーライター

フリーライター。WEBビジネス歴10年以上。3歳の息子を持つパパでもあり、育児と仕事の合間に年間200冊以上を読破。「この本で世界の見方が変わった」という体験を読者と共有したいと思いこのサイトを始めました。