【要約&レビュー】『慟哭』連続幼女誘拐事件を追う捜査一課長——貫井徳郎の衝撃のデビュー作

レビュアー: ゆう
慟哭

慟哭

著者: 貫井徳郎

ジャンル: 小説

★★★★(4/5)
#小説#貫井徳郎#ミステリー#警察小説

3行で分かるこの本のポイント

  • 連続幼女誘拐事件の捜査に追い込まれる捜査一課長と警察組織の闇
  • 同時進行する新興宗教にのめり込む男の物語
  • 貫井徳郎の衝撃のデビュー作にしてミステリー史に残る傑作

この本はこんな人におすすめ

  • 警察小説・社会派ミステリーが好きな方
  • 伏線回収型の本格ミステリーが読みたい方
  • 貫井徳郎作品の入門として選びたい方
  • 読後に強烈な余韻が残る作品を求める方

独自5段階評価

項目 スコア
読みやすさ ★★★★☆
ストーリーの引き込み力 ★★★★★
構成の巧さ ★★★★★
ラストの衝撃 ★★★★★
社会派テーマの重み ★★★★★

要約・内容紹介

追い詰められる捜査一課長

連続して起こる幼女誘拐事件。捜査は難航し、若手キャリアの捜査一課長は窮地に立たされていきます。警察内部では彼を巡って不協和音が生じ、マスコミは彼の私生活をすっぱ抜く——。

組織の論理と、事件解決への責任の板挟み。警察という巨大組織の内側で、一人の男が追い詰められていく姿がリアルに描かれます。

並行して描かれる男の物語

もう一つの物語は、新興宗教にのめり込んでいく男の視点。愛する人を失った喪失感から、彼は次第に宗教の世界に引き込まれていきます。

この二つの物語が、なぜ同時に描かれているのか——。最後に辿り着く真相は、読者に強烈な衝撃を与えます。

貫井徳郎のデビュー作

本作は貫井徳郎さんの1993年のデビュー作。新人離れした構成力と筆致で、ミステリー界に衝撃を与えた一作です。「デビュー作がいきなり代表作」と言われるほどの完成度。

貫井徳郎さんの他作品を読む前にも後にも楽しめる、揺るぎない地位を確立した傑作です。

読んだ後に残ったこと

僕はこの本を読んで、「失うこと」の重さを考えました。小さな子供を持つ親として、幼女誘拐事件の描写は読むのがつらい。でも作中の男の喪失感にも、共感せざるを得ませんでした。

失うことから人は様々な反応を見せる——。本書は人間の脆さと、それを利用する宗教や組織の怖さを描いた社会派ミステリーの金字塔です。

読者の評判・口コミ

楽天レビュー884件超え、評価3.84。「デビュー作とは思えない完成度」「ラストの衝撃が忘れられない」「構成が巧妙」という声が多いです。

「後半の種明かしが唐突」「テーマが重すぎる」という意見もありますが、デビュー作として異例の完成度で評価されています。

良い点

  • デビュー作とは思えない構成力
  • 二つの物語が交錯する重層的な読み心地
  • ラストに残る強烈な余韻

注意点

  • 幼女誘拐というテーマの重さ
  • 新興宗教描写に抵抗感のある層も
  • 細かな伏線が多く集中して読む必要

この本の前後に読む本

前に読む本: 『理由』。宮部みゆきの警察小説の名作。先に読むと警察小説の世界に慣れます。

後に読む本: 『白夜行』。東野圭吾の傑作。本書と同じく重層的な構成のミステリーとして楽しめます。

読了データ

項目 内容
ページ数 約400ページ
読了時間の目安 5〜6時間
図解・イラスト なし
難易度 ★★★☆☆(テーマが重い)

まとめ

『慟哭』は、連続幼女誘拐事件を追う捜査一課長と、新興宗教にのめり込む男——二つの物語が衝撃の形で交錯する、貫井徳郎のデビュー作にしてミステリー史に残る傑作です。読後に深い余韻を残す一冊です。

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この記事を書いた人

ゆう

フリーライター

フリーライター。WEBビジネス歴10年以上。3歳の息子を持つパパでもあり、育児と仕事の合間に年間200冊以上を読破。「この本で世界の見方が変わった」という体験を読者と共有したいと思いこのサイトを始めました。