【要約&レビュー】『推し、燃ゆ』推しが全てだった少女の芥川賞受賞作
推し、燃ゆ
著者: 宇佐見 りん
ジャンル: 小説
試し読みもできます
Amazonで『推し、燃ゆ』をチェックする3行で分かるこの本のポイント
- 推しのアイドルが炎上した時、「推すこと」が生きる支えだった少女に何が起きるのか
- 「推し活」を通じて現代の生きづらさを描いた芥川賞受賞作
- 21歳の著者が描く、世代を超えて刺さる「何かに依存すること」の物語
この本はこんな人におすすめ
- 「推し」がいる方、またはいた方
- 芥川賞作品を読みたい方
- 現代の若者の生きづらさに興味がある方
- 短くてさっと読める小説を探している方
独自5段階評価
| 項目 | スコア |
|---|---|
| 読みやすさ | ★★★★☆ |
| ストーリーの引き込み力 | ★★★★☆ |
| 再読したい度 | ★★★★☆ |
| 初心者おすすめ度 | ★★★☆☆ |
| 思考を揺さぶる度 | ★★★★★ |
要約・内容紹介
あらすじ
高校生のあかりには、アイドルグループ「まざま座」の上野真幸という「推し」がいます。推しのブログを解釈し、推しのすべてを理解しようとすることが、あかりの生きる意味でした。
ある日、真幸がファンを殴ったという報道が出て、炎上が始まります。推しが「燃えた」。それでもあかりは推し続けることを選びます。しかし、推しの活動休止、そしてグループの解散。あかりの世界は少しずつ崩れていきます。
「推す」ことは「生きる」こと
あかりにとって「推す」ことは趣味ではなく、生きるための手段。学校にうまく馴染めない、バイトも続かない、日常生活もままならない。そんな中で唯一、推しを解釈し、言葉にすることだけが、あかりの居場所でした。
背骨を支えるもの
作中で繰り返し使われる「背骨」のイメージ。あかりにとって推しは背骨のようなもの。それを失った時、人は立っていられるのか。この問いは「推し活」だけでなく、何かに依存して生きているすべての人に突き刺さります。
読んだ後に残ったこと
「推し」という言葉が一般的になった時代に、これほど深く「推す」ことの意味を描いた作品はないと思います。
僕には「推し」と呼べるものはないのですが、仕事に没頭している時の感覚は、少しだけあかりの気持ちに近いかもしれません。フリーランスの仕事が「自分の存在理由」になっている瞬間。もしそれを失ったら、自分は何で立っていられるのか。
息子にとって今の「推し」はアンパンマンですが(笑)、将来きっと本当の「推し」ができるでしょう。その時にこの本のことを思い出して、「推すことは素晴らしいけど、推しがすべてにならないように」と伝えたい。でもそれは大人のエゴかもしれませんが。
読者の評判・口コミ
楽天レビュー2,000件超え、評価3.37。「推し活をしている自分に刺さった」「短いのに深い」「芥川賞納得の完成度」という声がある一方、「共感できなかった」「暗い」「推しがいない人には響かない」という声も。
評価が分かれるのは、主人公に共感できるかどうかで読後感が大きく変わるためです。
良い点
- 「推す」ことの本質を深く描いている
- 短いので気軽に読めるのにテーマが深い
- 若い世代の「生きづらさ」のリアルな描写
注意点
- 主人公に共感できないと退屈に感じる可能性
- 明確な救いやカタルシスはない
- 「推し活」に興味がないと入りにくい
この本の前後に読む本
前に読む本: 特になし。短いので気軽に読み始められます。
後に読む本: 『コンビニ人間』。「普通に生きられない」主人公を描いた芥川賞受賞作で、テーマに通じるものがあります。
読了データ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ページ数 | 約140ページ |
| 読了時間の目安 | 1〜2時間 |
| 図解・イラスト | なし |
| 難易度 | ★★★☆☆(文体にやや癖がある) |
まとめ
『推し、燃ゆ』は、「推すこと」を通じて現代の生きづらさを描いた芥川賞受賞作です。短いながらも、「何かに依存すること」「それを失うこと」の怖さが鋭く描かれています。「推し」がいる方も、いない方も、自分の「背骨」は何かを考えさせられる一冊です。
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Amazonで『推し、燃ゆ』をチェックするこの記事を書いた人
ゆう
フリーライター
フリーライター。WEBビジネス歴10年以上。3歳の息子を持つパパでもあり、育児と仕事の合間に年間200冊以上を読破。「この本で世界の見方が変わった」という体験を読者と共有したいと思いこのサイトを始めました。