【要約&レビュー】『推し、燃ゆ』推しが全てだった少女の芥川賞受賞作

レビュアー: ゆう
推し、燃ゆ

推し、燃ゆ

著者: 宇佐見 りん

ジャンル: 小説

★★★★(4/5)
#小説#芥川賞#宇佐見りん#推し活

3行で分かるこの本のポイント

  • 推しのアイドルが炎上した時、「推すこと」が生きる支えだった少女に何が起きるのか
  • 「推し活」を通じて現代の生きづらさを描いた芥川賞受賞作
  • 21歳の著者が描く、世代を超えて刺さる「何かに依存すること」の物語

この本はこんな人におすすめ

  • 「推し」がいる方、またはいた方
  • 芥川賞作品を読みたい方
  • 現代の若者の生きづらさに興味がある方
  • 短くてさっと読める小説を探している方

独自5段階評価

項目 スコア
読みやすさ ★★★★☆
ストーリーの引き込み力 ★★★★☆
再読したい度 ★★★★☆
初心者おすすめ度 ★★★☆☆
思考を揺さぶる度 ★★★★★

要約・内容紹介

あらすじ

高校生のあかりには、アイドルグループ「まざま座」の上野真幸という「推し」がいます。推しのブログを解釈し、推しのすべてを理解しようとすることが、あかりの生きる意味でした。

ある日、真幸がファンを殴ったという報道が出て、炎上が始まります。推しが「燃えた」。それでもあかりは推し続けることを選びます。しかし、推しの活動休止、そしてグループの解散。あかりの世界は少しずつ崩れていきます。

「推す」ことは「生きる」こと

あかりにとって「推す」ことは趣味ではなく、生きるための手段。学校にうまく馴染めない、バイトも続かない、日常生活もままならない。そんな中で唯一、推しを解釈し、言葉にすることだけが、あかりの居場所でした。

背骨を支えるもの

作中で繰り返し使われる「背骨」のイメージ。あかりにとって推しは背骨のようなもの。それを失った時、人は立っていられるのか。この問いは「推し活」だけでなく、何かに依存して生きているすべての人に突き刺さります。

読んだ後に残ったこと

「推し」という言葉が一般的になった時代に、これほど深く「推す」ことの意味を描いた作品はないと思います。

僕には「推し」と呼べるものはないのですが、仕事に没頭している時の感覚は、少しだけあかりの気持ちに近いかもしれません。フリーランスの仕事が「自分の存在理由」になっている瞬間。もしそれを失ったら、自分は何で立っていられるのか。

息子にとって今の「推し」はアンパンマンですが(笑)、将来きっと本当の「推し」ができるでしょう。その時にこの本のことを思い出して、「推すことは素晴らしいけど、推しがすべてにならないように」と伝えたい。でもそれは大人のエゴかもしれませんが。

読者の評判・口コミ

楽天レビュー2,000件超え、評価3.37。「推し活をしている自分に刺さった」「短いのに深い」「芥川賞納得の完成度」という声がある一方、「共感できなかった」「暗い」「推しがいない人には響かない」という声も。

評価が分かれるのは、主人公に共感できるかどうかで読後感が大きく変わるためです。

良い点

  • 「推す」ことの本質を深く描いている
  • 短いので気軽に読めるのにテーマが深い
  • 若い世代の「生きづらさ」のリアルな描写

注意点

  • 主人公に共感できないと退屈に感じる可能性
  • 明確な救いやカタルシスはない
  • 「推し活」に興味がないと入りにくい

この本の前後に読む本

前に読む本: 特になし。短いので気軽に読み始められます。

後に読む本: 『コンビニ人間』。「普通に生きられない」主人公を描いた芥川賞受賞作で、テーマに通じるものがあります。

読了データ

項目 内容
ページ数 約140ページ
読了時間の目安 1〜2時間
図解・イラスト なし
難易度 ★★★☆☆(文体にやや癖がある)

まとめ

『推し、燃ゆ』は、「推すこと」を通じて現代の生きづらさを描いた芥川賞受賞作です。短いながらも、「何かに依存すること」「それを失うこと」の怖さが鋭く描かれています。「推し」がいる方も、いない方も、自分の「背骨」は何かを考えさせられる一冊です。

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この記事を書いた人

ゆう

フリーライター

フリーライター。WEBビジネス歴10年以上。3歳の息子を持つパパでもあり、育児と仕事の合間に年間200冊以上を読破。「この本で世界の見方が変わった」という体験を読者と共有したいと思いこのサイトを始めました。