【要約&レビュー】『火花』お笑いの極北を描く——又吉直樹の芥川賞受賞デビュー作

レビュアー: ゆう
火花

火花

著者: 又吉 直樹

ジャンル: 小説

★★★☆☆(3/5)
#小説#又吉直樹#芥川賞#お笑い

3行で分かるこの本のポイント

  • 売れない芸人・徳永と師として仰ぐ先輩芸人・神谷の運命的な出会い
  • 「笑いとは何か、人間とは何か」を問う芸人ならではの哲学的小説
  • ピース又吉のデビュー作にして第153回芥川賞受賞の大ベストセラー

この本はこんな人におすすめ

  • ピース又吉のファン
  • お笑い・芸人の世界に興味がある方
  • 芥川賞受賞作を読みたい方
  • 夢を追う人々の物語が好きな方

独自5段階評価

項目 スコア
読みやすさ ★★★★☆
ストーリーの引き込み力 ★★★☆☆
芸人ならではのリアル ★★★★★
文学性の高さ ★★★★☆
読後の余韻 ★★★★☆

要約・内容紹介

熱海の花火大会での出会い

主人公は、売れない芸人の徳永。熱海の花火大会の営業現場で、彼は一人の先輩芸人・神谷に電撃的に出会います。神谷は独特の哲学と世界観を持ち、徳永はすぐに師として仰ぐことに。

「お笑いとは何か」——。神谷の語る言葉は、時に難解で、時に鋭く、徳永の心に深く刻み込まれていきます。

才能と狂気のあいだ

神谷は「真の芸人」でありたいがゆえに、社会の常識や金銭感覚から少しずつ離れていきます。徳永は彼を敬愛しながらも、そのギリギリの生き方に戸惑いを覚える——。

本作のテーマは「芸とは何か」「人として生きるとは何か」。笑いを極めようとするあまり、日常から逸脱していく神谷の姿が、読者に強い印象を残します。

又吉直樹の芥川賞受賞

2015年、ピース又吉さんのデビュー小説にして第153回芥川龍之介賞を受賞。お笑い芸人が芥川賞を取ったという話題性と、それを上回る作品の完成度で、社会現象と言えるほどのブームを巻き起こしました。

累計発行部数は300万部を突破。ドラマ化・映画化もされ、戦後の文芸界を代表する大ヒット作となりました。

読んだ後に残ったこと

僕はこの本を読んで、「何かを極めようとする人の孤独」を感じました。芸人の世界もフリーライターの世界も、突き詰めると孤独な作業。神谷のように「ギリギリまで攻める」生き方をするか、徳永のように「現実と折り合いをつける」生き方をするか。

どちらが正解という話ではなく、それぞれが選ぶ「火花の散らし方」がある——。本書は、自分の仕事観を問い直させる一冊でした。

読者の評判・口コミ

楽天レビュー861件超え、評価3.65。「芥川賞の重さを感じる」「又吉の文学的センスが光る」「お笑いの世界が生々しい」という声が多いです。

「読みづらい」「芥川賞としては軽い」「後半が物足りない」という意見もあり、芥川賞作品の中では評価が分かれる一冊です。

良い点

  • 芸人の世界のリアルな描写
  • 又吉直樹の文学的センス
  • 笑いの哲学への深い考察

注意点

  • お笑いに興味がないと共感しづらい
  • 後半の展開に賛否
  • 芥川賞的な「読みにくさ」もある

この本の前後に読む本

前に読む本: 『推し、燃ゆ』。宇佐見りんの芥川賞受賞作。先に読むと芥川賞作品に馴染めます。

後に読む本: 『コンビニ人間』。村田沙耶香の芥川賞受賞作。本書の後に読むと芥川賞作品の幅広さが味わえます。

読了データ

項目 内容
ページ数 約200ページ
読了時間の目安 2〜3時間
図解・イラスト なし
難易度 ★★☆☆☆(短いが内容は濃い)

まとめ

『火花』は、売れない芸人・徳永と師として仰ぐ神谷の運命的な出会いと別れを描く、又吉直樹の芥川賞受賞デビュー作です。笑いを極めようとする人間の孤独と美しさ。芸人ならではの視点で文学史に残る一冊です。

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この記事を書いた人

ゆう

フリーライター

フリーライター。WEBビジネス歴10年以上。3歳の息子を持つパパでもあり、育児と仕事の合間に年間200冊以上を読破。「この本で世界の見方が変わった」という体験を読者と共有したいと思いこのサイトを始めました。