【要約&レビュー】『ボクはやっと認知症のことがわかった』長谷川和夫——認知症専門医が自ら当事者になって気づいた「遺言」

レビュアー: ゆう
ボクはやっと認知症のことがわかった 自らも認知症になった専門医が、日本人に伝えたい遺言

ボクはやっと認知症のことがわかった 自らも認知症になった専門医が、日本人に伝えたい遺言

著者: 長谷川 和夫/猪熊 律子

ジャンル: 健康

★★★★(4/5)
#健康#認知症#長谷川和夫#介護#医療

3行で分かるこの本のポイント

  • 認知症診断に使われる「長谷川式スケール」開発者が自ら認知症を告白——「ボクはやっと分かった」という逆説的な遺言
  • 専門医が当事者になって初めて見えた「認知症の内側」——「怖い病気」ではなく「一緒に生きる病気」への認識転換
  • 日本の認知症医療への切実なメッセージ——700万人時代に向けて私たち全員が読むべき一冊

この本はこんな人におすすめ

  • 認知症の家族・親戚がいる方
  • 認知症介護に携わる医療・福祉関係者
  • 「認知症とは何か」を正しく理解したい方
  • 自分や家族の将来のために今から知識を持ちたい方

独自5段階評価

項目 スコア
読みやすさ ★★★★☆
認知症理解の深さ ★★★★★
当事者目線の説得力 ★★★★★
医療への実践的メッセージ ★★★★☆
感情的インパクト ★★★★★

要約・内容紹介

「長谷川式スケール」開発者の告白

著者の長谷川和夫は、認知症の診断基準として全国の医療機関で使われる「長谷川式認知症スケール」を開発した精神科医です。何百人・何千人もの認知症患者を診てきた第一人者が、2017年に自ら認知症であることを公表しました。

「50年以上認知症を診てきたボクが、なぜ今になって認知症のことがわかったかというと——自分が当事者になったからだ」という言葉が、本書の核心です。専門知識と当事者体験の両方を持つという、他では得られない視点がこの本の価値を決定しています。

「内側から見た認知症」の衝撃

本書で最も印象的な部分は、認知症当事者として体験した「内側からの感覚」の描写です。「何かが抜け落ちていく感覚」「言葉を探しているのに出てこない瞬間の焦り」「でも感情や意思はちゃんとそこにある」——これらのリアルな描写は、介護する側が認知症をどう捉えるべきかを根本から変えます。

「認知症になっても、感じる力は失われない——だから接し方が重要だ」という著者のメッセージは、医療・介護の現場に対する強いメッセージでもあります。

「怖い病気」から「一緒に生きる病気」へ

本書の最終的なメッセージは「認知症は怖いものではなく、一緒に生きていける病気だ」という認識の転換です。「認知症を『恐怖』ではなく『理解すべき状態』として見ることで、当事者も家族も介護者も楽になれる」という著者の主張が、本書全体に流れています。

実際に試してみた

自分の祖父が晩年に認知症を発症したことがあり、当時は「どう接すればいいか分からない」という戸惑いが常にありました。本書を読んで、あの頃の祖父が何を感じていたのかが少し分かった気がしました。

「感情はちゃんとある——だから笑顔で接することが大切だ」という言葉は、当時の自分に教えてあげたいと思いました。3歳の息子が大きくなる頃には認知症との向き合い方がより当たり前の知識になってほしい——そう願わせてくれる一冊です。

読者の評判・口コミ

楽天レビュー140件前後、評価4.05と高評価。「涙が止まらなかった」「認知症への見方が変わった」「家族に読ませたい」という声が多い一方、「もっと実践的な介護方法が知りたかった」「悲しすぎて読み進めるのが辛かった」という批評も。

認知症当事者の家族・医療福祉関係者に支持されており、認知症理解の必読書として推薦されています。

良い点

  • 「長谷川式スケール」開発者という第一人者が当事者として語る圧倒的な説得力
  • 「認知症の内側」という他では得られない視点
  • 認知症への恐怖を和らげ、正しい理解を促すメッセージ

注意点

  • 著者の状態が進行する中で書かれているため、読んでいて胸が痛くなる箇所がある
  • 認知症の介護実践マニュアルではないため、具体的な対応方法は別書で補完が必要
  • 感情移入しやすい内容のため、身近に認知症患者がいる方は感情的に辛いと感じることも

この本の前後に読む本

前に読む本: 特になし。認知症について基礎から理解したい方の入門書として最適です。

後に読む本: 特になし。本書で認知症への理解が深まったら、介護の実践書や認知症予防に関する本も合わせて読むと実践力が高まります。

読了データ

項目 内容
ページ数 約240ページ
読了時間の目安 3〜4時間
図解・イラスト なし
難易度 ★★☆☆☆(読みやすく書かれている)

まとめ

『ボクはやっと認知症のことがわかった』は「長谷川式スケール」開発者・長谷川和夫が自ら認知症を告白し、当事者として伝える遺言です。専門医が「内側から見た認知症」を語るという唯一無二の視点——700万人時代を生きる私たちが今読むべき一冊です。

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この記事を書いた人

ゆう

フリーライター

フリーライター。WEBビジネス歴10年以上。3歳の息子を持つパパでもあり、育児と仕事の合間に年間200冊以上を読破。「この本で世界の見方が変わった」という体験を読者と共有したいと思いこのサイトを始めました。