【要約&レビュー】『誰が科学を殺すのか』〜「選択と集中」政策が日本の研究力を壊す構造を暴くルポ〜

レビュアー: ゆう

※本記事はAIを活用して作成しています。

誰が科学を殺すのか

誰が科学を殺すのか

著者: 毎日新聞「幻の科学技術立国」取材班

ジャンル: 科学・サイエンス

★★★☆☆(3/5)
#科学#サイエンス

3行で分かるこの本のポイント

  • 「選択と集中」と「効率」を求める科学政策が日本の研究力を低下させ、大学を破壊している実態を暴く
  • 「平成・失われた30年」の根本原因としての科学研究力の失墜を、現場の声と数字で証明する
  • 京都大学長・山極寿一氏が「日本の学術に輝きを取り戻す必読の書」と推薦した渾身のルポルタージュ

この本はこんな人におすすめ

  • 日本の科学技術政策や研究費配分の問題に関心がある方
  • 大学・研究機関に勤める研究者・教職員
  • 「日本はなぜ科学で勝てなくなったのか」を知りたい方
  • 科学ジャーナリズムや調査報道に関心がある方

こんな人には合わないかも

  • 科学の面白さを楽しみたい一般読者(本書は政策批判・ルポが中心)
  • 解決策や政策提言を求めている方(問題提起と批判が主体)
  • 日本の研究・教育問題に全く関心がない方

独自5段階評価

評価項目 評価
内容の濃さ ★★★★☆
読みやすさ ★★★☆☆
実践のしやすさ ★★☆☆☆
初心者向き度 ★★★☆☆
コスパ ★★★☆☆

要約・内容紹介

「なぜ日本からノーベル賞受賞者が出なくなったのか」「なぜ若い研究者は研究を諦めるのか」——本書はこれらの問いに対し、政策的な失敗という観点から鋭く迫ります。

毎日新聞の取材班が「幻の科学技術立国」というシリーズ企画で積み重ねてきた取材が、本書の骨格です。現場の研究者・教員へのインタビュー、予算配分データの分析、海外の研究環境との比較——複数のアプローチで「日本の科学研究力の失墜」の構造を解明しています。

本書が指摘する最大の問題は、1990年代以降に進められた「選択と集中」政策です。経済原理を科学研究に持ち込み、すぐに成果が出そうな研究に予算を集中させ、基礎研究や長期的な視点の研究を軽視してきた結果、日本の研究力は世界的に見て大きく低下しました。

研究者の雇用の不安定化も深刻な問題として取り上げられています。任期付きのポスドクが増え、若手研究者が安定したポストを得られず研究を離れていく実態は、科学の土台を侵食しています。大学への運営費交付金の削減が、大学の機能低下に直結している問題も詳しく描かれています。

京都大学長の山極寿一氏が帯で「必読の書」と推薦したことからも、本書の問題意識の鋭さが伝わります。科学技術に関わるすべての人——研究者、教育者、政策立案者、そして納税者——に読んでほしい内容です。

実際に試してみた

WEBビジネスをやっていると、「短期的な利益に集中する」という発想はよく理解できます。マーケティングや事業開発でも「選択と集中」はよく言われることです。しかし本書を読んで、それを科学研究に適用することの根本的な誤りを認識しました。

科学の本質的な成果は予測できない。基礎研究の何が将来の技術革新につながるかは、事前には分からない。だからこそ、幅広い基礎研究への継続的な投資が不可欠なのだという論理が、説得力をもって伝わってきました。

正直、ここが物足りなかった

問題の分析は鋭いのですが、「では何をすべきか」という処方箋の部分が薄いです。現状批判が中心のため、読後に「でもどうすれば変わるのか」という問いが宙に浮いたままになります。

また、現場の研究者の声が中心となっているため、政府・政策立案側の論理を深く掘り下げる部分が少ない印象です。「なぜそういう政策が選ばれたのか」という背景の説明があると、問題構造がより立体的に見えたと思います。

読者の評判・口コミ

楽天レビューでは11件の口コミで評価3.6と、賛否はありながらも支持する読者が多い内容です。「日本の科学の現状を知れた」「現場の声が生々しかった」「問題の深刻さに驚いた」という感想が多く、特に研究・教育の現場にいる方からの共感が強い様子です。

一部には「批判が一方的」「解決策がない」という意見もあります。報道記事をまとめた性質があるため、バランスより問題提起の鋭さを評価する読者に向いています。

良い点

  • 日本の科学政策の問題点を現場の声とデータで具体的に示している
  • 新聞社の取材力を活かした豊富な事例と証言が説得力を高めている
  • 「失われた30年」の科学技術的な側面という、あまり語られない視点を提供している

注意点

  • 解決策より問題提起・批判が中心のため、前向きな処方箋は少ない
  • 批判の対象が明確なため、政策側の論理への理解が深まりにくい面がある
  • 新聞ルポ的な構成のため、体系的な分析を求める読者には物足りない部分がある

似た本と比べると

同じく日本の研究環境問題を扱った本と比べると、本書はルポルタージュ形式の強みが際立っています。政策論文や学術的な分析書より読みやすく、問題の具体的な顔(実際の研究者の苦境)が見える点が特徴です。現場の声を拾い上げるジャーナリズムの力が発揮されています。

この本の前後に読む本

読む前に日本の科学技術政策の歴史を概観した資料を読んでおくと問題の背景が理解しやすくなります。読んだ後には、海外の研究環境や成功している国家的科学投資の事例を扱った本を読むと、対比として日本の問題がより鮮明に見えます。

読了データ

項目 内容
読了時間 約4〜6時間
ページ数 単行本
難易度 普通
おすすめ読書スタイル 問題意識を持ちながら読む

まとめ

『誰が科学を殺すのか』は、日本の科学研究力の失墜という深刻な問題を、毎日新聞の取材班が現場の声とデータで告発するルポルタージュです。研究者・教育者・政策に関心があるすべての方に読んでほしい一冊で、「失われた30年」の科学技術的な側面を知るための重要な一冊です。

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この記事を書いた人

ゆう

フリーライター

フリーライター。WEBビジネス歴10年以上。3歳の息子を持つパパでもあり、育児と仕事の合間に年間200冊以上を読破。「この本で世界の見方が変わった」という体験を読者と共有したいと思いこのサイトを始めました。