【要約&レビュー】『じぶん・この不思議な存在』鷲田清一——哲学で「自分」という謎に向き合う

レビュアー: ゆう

※本記事はAIを活用して作成しています。

じぶん・この不思議な存在

じぶん・この不思議な存在

著者: 鷲田 清一

ジャンル:

★★★★(4/5)
#哲学#鷲田清一#自己#臨床哲学#教養

3行で分かるこの本のポイント

  • 「自分とは何か」という問いを、難解な哲学用語ではなく日常の言葉で丁寧に問い直す
  • 身体・他者・社会との関係の中でしか「自分」は存在しないという関係論的自己観を提示
  • 臨床哲学の視点から、哲学を日常の問いとして取り戻すアプローチが一貫している

この本はこんな人におすすめ

  • 「自分とは何か」「本当の自分って何だろう」という問いを持ったことがある方
  • 哲学を学んでみたいが専門書は難しすぎると感じている方
  • アイデンティティや自己理解に関心があり、思想的な背景から考えたい方
  • 大学の哲学入門や教養課程でのテキストを探している学生の方

こんな人には合わないかも

  • 即効的な自己啓発や実践ノウハウを求めている方
  • 哲学の体系を網羅的に学びたい専門的な読者には入門すぎると感じるかも
  • 結論を明確に示してほしいタイプの読者(本書は問いを立て続ける形式)

独自5段階評価

評価項目 評価
内容の濃さ ★★★★☆
読みやすさ ★★★★☆
実践のしやすさ ★★☆☆☆
初心者向き度 ★★★★☆
コスパ(満足度) ★★★★☆

要約・内容紹介

「自分」はどこにいるのか

本書は冒頭から「自分とはどこにいるのか」という根本的な問いを立てます。私たちは「自分の気持ち」「自分の意見」という言い方をしますが、その「自分」とは具体的に何を指しているのでしょうか。著者の鷲田清一は、自分を固定した実体として捉えるのではなく、常に揺れ動き、他者との関係の中で都度形成されるものとして提示します。哲学的に聞こえますが、本書の文章は非常に平易で、身近な例えを使いながら問いを展開していきます。

身体と他者がなければ「自分」は存在しない

本書の中心にあるのは、「自分」が身体と他者によって形成されるという視点です。自分の顔は自分では直接見られない——このシンプルな事実を出発点に、鷲田は「他者のまなざし」を通じてはじめて自己が形成されるというフランス哲学の議論を日本語で丁寧に展開します。また、身体の感覚が「自分がここにいる」という実感を支えているという議論は、「心と体は別物」という素朴な二元論を崩す視点として非常に示唆に富んでいます。

臨床哲学の視点で「問い」を日常に取り戻す

鷲田清一は「臨床哲学」の第一人者として知られています。哲学を書斎の学問ではなく、日常の問題に向き合うための実践的な思考ツールとして使う——その姿勢が本書全体に貫かれています。「自分とは何か」という問いは、思春期の若者だけでなく、大人になっても繰り返し訪れます。本書はその問いに対して、「答えを出すことよりも、問い続けることに意味がある」という哲学的姿勢を静かに伝えてくれます。

実際に試してみた

読む前は、哲学書と聞いて「難解な用語が並んでいて読み進めるのが苦しいのではないか」と少し身構えていました。過去に読んだ哲学系の本でいくつか挫折した経験があったからです。

読み始めると、語り口が平易で、読み進めるのにストレスがありませんでした。特に「他者の目を通じてしか自分を知れない」という議論は、自分がなぜ人の目を気にするのかという普段感じている感覚を、哲学的に言語化してもらえたような感覚がありました。

読後は、「自分」という存在の曖昧さを以前よりも穏やかに受け入れられるようになった気がします。確固とした自分がないことへの不安が、少し和らいだような読後感でした。

正直、ここが物足りなかった

哲学的な問いを丁寧に展開する分、「結論」や「答え」を期待していると肩透かしを食らうかもしれません。本書は問いを深めることに重点を置いているため、「じぶんとは何かが分かった」という達成感よりも「考え続けることの意味が分かった」という読後感に近いです。答えを求めている方には向かないかもしれません。

読者の評判・口コミ

Amazonには100件以上のレビューが集まっており、評価は★4.0前後で推移しています。

好意的な声

「哲学の入門書として最適。難しくなく、考えさせられる」「自分について考えることの楽しさを教えてくれる」「大学の授業で薦められ、思ったより深く読めた」という声が多く見られます。

批判的な声

「答えが出ないので読み終わってモヤモヤが残った」「もう少し具体的な事例が欲しかった」という声もあります。

良い点

  • 平易な言葉で哲学の本質的な問いに触れられる
  • 「臨床哲学」の視点が、哲学を日常に引き戻してくれる
  • 身体・他者との関係から「自分」を捉える視点が新鮮

注意点

  • 結論よりも問いを重視する構成なので、答えを求める読者には向かない
  • 哲学の体系を学ぶための本ではなく、あくまで「自分」という問いに特化した一冊
  • ある程度考えることが好きでないと、途中で退屈に感じるかもしれない

似た本と比べると

同じ哲学入門系では池田晶子の『14歳からの哲学』がより対話的で読みやすいです。鷲田清一の本書は、より身体や他者関係に踏み込んでおり、自己論として深みがあります。西田幾多郎の『善の研究』に比べると圧倒的に読みやすく、哲学入門の最初の一冊として最適です。

この本の前後に読む本

前に読む本:『14歳からの哲学』池田晶子——哲学的な問いを立てる感覚を軽くウォーミングアップするのに最適な一冊です。

後に読む本:『顔の現象学』鷲田清一——本書の議論をさらに深める、同著者による「顔」と自己をめぐる哲学的考察の発展版です。

読了データ

項目 内容
読了日 2026年5月
読んだ形式 電子書籍
読了時間 約3時間
読み返したい度 ★★★★☆

まとめ

『じぶん・この不思議な存在』は、哲学の難解さを排除しながら「自分とは何か」という本質的な問いに向き合える入門書です。臨床哲学の視点で日常と哲学を結びつける鷲田清一の語り口は、考えることを楽しむきっかけを与えてくれます。自己理解に関心のある方なら、年齢を問わず読む価値がある一冊です。

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この記事を書いた人

ゆう

フリーライター

フリーライター。WEBビジネス歴10年以上。3歳の息子を持つパパでもあり、育児と仕事の合間に年間200冊以上を読破。「この本で世界の見方が変わった」という体験を読者と共有したいと思いこのサイトを始めました。