【要約&レビュー】『舟を編む』言葉の海を渡る辞書づくりの感動物語

レビュアー: ゆう
舟を編む

舟を編む

著者: 三浦しをん

ジャンル: 小説

★★★★★(5/5)
#小説#本屋大賞#三浦しをん#辞書

3行で分かるこの本のポイント

  • 新しい辞書「大渡海」の編纂に15年を捧げる人々の情熱と絆を描く本屋大賞受賞作
  • 「言葉」を扱う仕事の地味だけど尊い営みを温かく描いた傑作
  • 映画・アニメ化もされた、「好きなことに打ち込む」すべての人に贈る物語

この本はこんな人におすすめ

  • 言葉や辞書に興味がある方
  • 地味だけど意義のある仕事を続けている方
  • 本屋大賞作品を読みたい方
  • 静かだけど心に残る物語が好きな方

独自5段階評価

項目 スコア
読みやすさ ★★★★★
ストーリーの引き込み力 ★★★★☆
再読したい度 ★★★★☆
初心者おすすめ度 ★★★★★
仕事へのモチベーション ★★★★★

要約・内容紹介

あらすじ

出版社の辞書編集部で、新しい辞書「大渡海」のプロジェクトが始まります。主人公の馬締光也(まじめ みつや)は、名前の通り真面目で不器用な青年。営業部から辞書編集部に異動し、言葉への情熱を注ぎ込んでいきます。

一冊の辞書が完成するまでに15年。気の遠くなるような時間をかけて、一語一語の意味を吟味し、用例を集め、校正を繰り返す。地味で根気のいる作業の先に、言葉の海を渡る「舟」が完成します。

「言葉」への愛

本書を読むと、普段何気なく使っている「言葉」の奥深さに気づかされます。一つの言葉の定義を決めるだけで、何時間もの議論が交わされる。「右」をどう定義するか、「恋愛」をどう説明するか。日常の言葉ほど定義が難しいという発見は新鮮でした。

チームの物語

馬締一人の物語ではなく、辞書編集部のチームの物語でもあります。軽薄に見えて実は熱い西岡、黙々と支えるベテランの荒木、後から加わる岸辺。それぞれの個性が辞書づくりに欠かせないピースとなっていく過程は、どんな仕事にも通じるチームワークの物語です。

読んだ後に残ったこと

フリーライターとして言葉を仕事にしている僕にとって、この本は特別な一冊になりました。

普段「分かりやすく書く」ことばかり考えていますが、この本を読んで「正確に伝える」ことの途方もない難しさを改めて感じました。辞書の編集者は、一つの言葉に何日も向き合う。僕がサラッと使っている言葉の裏に、こんなにも深い世界があるのか、と。

読了後、ふと手元の国語辞典を開いてみたら、いつもと違う目で見えました。「この定義を書いた人は、何日悩んだんだろう」と。言葉を扱う仕事への敬意が深まった一冊です。

読者の評判・口コミ

楽天レビュー3,100件超え、評価4.26。「辞書が愛おしくなった」「仕事への向き合い方が変わった」「静かだけど熱い物語」という声が多数。2012年本屋大賞受賞作です。

「展開がゆっくり」「地味すぎる」という声もありますが、この「地味さ」が本書の魅力。派手さはなくても、じわじわと心に染みてくる温かさがあります。

良い点

  • 「好きなことに打ち込む」ことの美しさを描いている
  • 言葉への新しい視点が得られる
  • 読後に自分の仕事への向き合い方が変わる

注意点

  • 派手な展開を求める方には向かない
  • 辞書や言葉に興味がないと入りにくい可能性
  • 静かな物語なので、テンポの速さを求める方には不向き

この本の前後に読む本

前に読む本: 特になし。三浦しをんが初めてでも楽しめます。

後に読む本: 三浦しをん『風が強く吹いている』。同じ著者の作品で、こちらは箱根駅伝を舞台にした熱い青春小説です。

読了データ

項目 内容
ページ数 約260ページ
読了時間の目安 3〜4時間
図解・イラスト なし
難易度 ★★☆☆☆(読みやすい文体)

まとめ

『舟を編む』は、「好きなことに打ち込む」すべての人の背中をそっと押してくれる物語です。派手さはなくても、15年かけて一冊の辞書を作り上げる人々の情熱は、どんなドラマチックな物語より心を揺さぶります。

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この記事を書いた人

ゆう

フリーライター

フリーライター。WEBビジネス歴10年以上。3歳の息子を持つパパでもあり、育児と仕事の合間に年間200冊以上を読破。「この本で世界の見方が変わった」という体験を読者と共有したいと思いこのサイトを始めました。