【要約&レビュー】『たゆたえども沈まず』19世紀パリで交差した日本人画商とゴッホ兄弟——原田マハが描く美術史小説の傑作

レビュアー: ゆう
たゆたえども沈まず

たゆたえども沈まず

著者: 原田 マハ

ジャンル: 小説

★★★★(4/5)
#小説#原田マハ#美術#歴史

3行で分かるこの本のポイント

  • 19世紀パリの美術界で浮世絵を売り込んだ日本人画商・林忠正の物語
  • 無名時代のゴッホ兄弟と林忠正の運命的な交錯を描く
  • 原田マハの美術小説の決定版とも言える傑作

この本はこんな人におすすめ

  • 原田マハの美術小説が好きな方
  • ゴッホや印象派に興味がある方
  • 19世紀パリの芸術サロンの雰囲気を味わいたい方
  • 日本美術が西洋に与えた影響を知りたい方

独自5段階評価

項目 スコア
読みやすさ ★★★★☆
ストーリーの引き込み力 ★★★★★
美術史の再現度 ★★★★★
登場人物の魅力 ★★★★★
読後の余韻 ★★★★★

要約・内容紹介

浮世絵を売り込む日本人画商

物語の主人公は、19世紀後半のパリで浮世絵を扱った実在の画商・林忠正。助手の重吉とともに流暢なフランス語で、日本の芸術を西洋世界に売り込んでいきます。

当時のパリは「ジャポニスム」の熱狂のただなか。浮世絵の大胆な構図や色彩は、モネやドガ、ロートレックら印象派の画家たちに強烈な影響を与えていました。

ゴッホ兄弟との出会い

そんな林忠正の前に現れたのが、日本に憧れる無名の画家フィンセント・ファン・ゴッホと、兄を献身的に支える画商の弟テオ。

生前ほとんど絵が売れなかったゴッホの、狂気と情熱のあいだで揺れる姿。兄を理解し、支え続ける弟テオの深い愛情。そして、それを外から見つめる日本人・林忠正——。運命が複雑に交錯していきます。

原田マハの美術小説の集大成

原田マハさんはキュレーターとしての専門知識を活かし、『楽園のカンヴァス』『暗幕のゲルニカ』など数々の美術小説を生み出してきました。本書はその集大成とも言える傑作。

パリの街並み、芸術サロンの空気、画家たちの息遣い——。読んでいると、自分も19世紀のパリに立っているような錯覚に陥ります。

読んだ後に残ったこと

僕はこの本を読んで、無性にゴッホの絵を見に行きたくなりました。息子を連れて、いつか美術館めぐりをしたい。

また、林忠正という日本人がパリで戦った姿に勇気をもらいました。異国で自分の信じる文化を広めようとする情熱は、時代が変わっても変わらない。フリーランスで国境を越えた発信をしたい僕にとって、大きな励ましになる一冊でした。

読者の評判・口コミ

楽天レビュー904件超え、評価4.29と高評価。「原田マハの最高傑作」「ゴッホへの理解が深まった」「パリの空気感が伝わる」という声が多いです。

「美術知識がないと少し難しい」「史実と創作の境界が気になる」という意見もありますが、美術小説の傑作として高く評価されています。

良い点

  • 19世紀パリの芸術サロンの再現度
  • ゴッホ兄弟の絆の感動的な描写
  • 原田マハならではの美術史への深い造詣

注意点

  • 登場人物が多く整理して読む必要がある
  • ゴッホの悲劇的な結末を知っている前提
  • 美術知識があると楽しめる幅が広がる

この本の前後に読む本

前に読む本: 『本日は、お日柄もよく』。原田マハの別作品として、著者の文体に慣れるのに最適です。

後に読む本: 『あの夏、二人のルカ』。原田マハの美術小説。本書と響き合う芸術と人間ドラマが楽しめます。

読了データ

項目 内容
ページ数 約464ページ
読了時間の目安 6〜7時間
図解・イラスト なし
難易度 ★★★☆☆(美術史の予備知識があると読みやすい)

まとめ

『たゆたえども沈まず』は、19世紀パリで浮世絵を売り込んだ日本人画商・林忠正と、無名時代のゴッホ兄弟の運命的な交錯を描く原田マハの美術小説の傑作です。芸術への情熱と、異国で生きる誇り。美術好きはもちろん、人間ドラマとしても心に残る一冊です。

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この記事を書いた人

ゆう

フリーライター

フリーライター。WEBビジネス歴10年以上。3歳の息子を持つパパでもあり、育児と仕事の合間に年間200冊以上を読破。「この本で世界の見方が変わった」という体験を読者と共有したいと思いこのサイトを始めました。