【要約&レビュー】『自転しながら公転する』結婚、仕事、親の介護、全部やらなきゃダメ?——山本文緒が描く現代女性の等身大の物語

レビュアー: ゆう
自転しながら公転する

自転しながら公転する

著者: 山本 文緒

ジャンル: 小説

★★★★(4/5)
#小説#山本文緒#現代女性#仕事と介護

3行で分かるこの本のポイント

  • 結婚、仕事、親の介護全部やらなきゃダメ?と問いかける等身大の物語
  • 茨城のアウトレットで働きながら生きる32歳・都の日々
  • 山本文緒が最晩年に放った現代女性のリアルを描く傑作長編

この本はこんな人におすすめ

  • 山本文緒作品のファン
  • 30代・40代の女性
  • 仕事と介護・結婚の両立に悩む方
  • 等身大の現代女性を描いた物語が好きな方

独自5段階評価

項目 スコア
読みやすさ ★★★★★
ストーリーの引き込み力 ★★★★★
現代女性描写のリアル ★★★★★
介護・家族描写 ★★★★★
読後の余韻 ★★★★★

要約・内容紹介

主人公・与野都の現実

主人公の与野都(よの みやこ)、32歳。東京のアパレルで働いていましたが、母親の看病のために茨城の実家に戻ります。アウトレットのショップで店員として働き始めた彼女の日々。

仕事は不安定、母の介護、父との関係、恋人・貫一との距離——。彼女が抱える「やらなきゃいけないこと」の重さが、丁寧に描かれていきます。

結婚、仕事、介護——

「結婚、仕事、親の介護、全部やらなきゃダメですか?」——。本書のキャッチコピーがすべてを物語っています。

都は恋人との関係に迷い、仕事の不安定さに悩み、母の病気と向き合う。決して派手な事件は起こりませんが、「誰もが抱える日常の重さ」が、山本文緒さんの繊細な筆致で浮かび上がってきます。

山本文緒最晩年の傑作

本作は2020年刊行。2021年に著者の山本文緒さんは亡くなられており、最晩年の代表作となりました。

第14回中央公論文芸賞、2021年本屋大賞ノミネート、第14回島清恋愛文学賞受賞と、複数の賞に輝いた晩年の傑作。直木賞作家・山本文緒の最後の到達点として、高い評価を得ています。

読んだ後に残ったこと

僕はこの本を読んで、妻の将来を考えました。僕の母の介護、妻自身の仕事、息子の育児——。「全部やる」ことのプレッシャーは、想像を超えるもの。

フリーライターとして自由な働き方を選んだ僕ですが、家族の中で誰が何を抱えるかは簡単な問題ではない。本書は夫婦で読んで話し合いたい一冊でした。

読者の評判・口コミ

楽天レビュー833件超え、評価4.12と高評価。「現代女性のリアル」「都に共感しかない」「山本文緒最後の傑作」という声が多いです。

「ゆっくりした展開」「派手さはない」という意見もありますが、等身大の物語として多くの女性読者に愛されています。

良い点

  • 現代女性のリアルな描写
  • 介護と仕事のジレンマの丁寧な描写
  • 山本文緒の最晩年の円熟した筆致

注意点

  • 派手な展開はない
  • 重いテーマが続く
  • 長編で読むのに時間がかかる

この本の前後に読む本

前に読む本: 『ミカエルの鼓動』。柚月裕子の医療小説。先に読むと仕事と家族のテーマに馴染めます。

後に読む本: 『汝、星のごとく』。凪良ゆうの本屋大賞受賞作。本書の後に読むと現代女性小説の幅が広がります。

読了データ

項目 内容
ページ数 約544ページ
読了時間の目安 7〜8時間
図解・イラスト なし
難易度 ★★☆☆☆(文章は平易だが内容は重め)

まとめ

『自転しながら公転する』は、茨城のアウトレットで働く32歳の都が、仕事・介護・恋愛に揺れながら生きる日々を描く、山本文緒最晩年の傑作長編です。「全部やらなきゃダメ?」という問い。現代を生きる人に響く一冊です。

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この記事を書いた人

ゆう

フリーライター

フリーライター。WEBビジネス歴10年以上。3歳の息子を持つパパでもあり、育児と仕事の合間に年間200冊以上を読破。「この本で世界の見方が変わった」という体験を読者と共有したいと思いこのサイトを始めました。