【要約&レビュー】『冷静と情熱のあいだ Rosso』ミラノのドゥオモで再会を約した恋人たち——江國香織が女性視点で描く甘く切ない恋愛小説

レビュアー: ゆう

※本記事はAIを活用して作成しています。

冷静と情熱のあいだ Rosso

冷静と情熱のあいだ Rosso

著者: 江國 香織/角川書店装丁室

ジャンル: 小説

★★★★(4/5)
#小説#江國香織#恋愛#辻仁成

3行で分かるこの本のポイント

  • 「10年後、ミラノのドゥオモの頂上で待っている」——かつての恋人ふたりが離れて生きる時間を、女性視点で描いた恋愛小説
  • 江國香織(Rosso)と辻仁成(Blu)による前代未聞の「男女別視点同時刊行」という形式——同じ物語をそれぞれの視点で書き、読者がふたりの内面を知ることで生まれる複雑な余韻
  • あおいの「冷静」と「情熱」——どこかで踏ん切りをつけられない、揺れ続ける心の中身を、江國香織ならではの繊細な言葉で丁寧に描く

この本はこんな人におすすめ

  • 江國香織の小説が好きな方
  • 恋愛と時間の経過をテーマにした上質な小説を求めている方
  • 映画化・ドラマ化作品の原作を読んでみたい方
  • Bluと合わせて読んで、ふたりの視点を楽しみたい方

こんな人には合わないかも

  • 明快な起承転結やハッピーエンドを求めている方
  • 恋愛小説のドラマチックな展開を好む方
  • 静かで内省的な物語のテンポが合わない方

独自5段階評価

項目 スコア
内容の濃さ ★★★★☆
読みやすさ ★★★★☆
実践のしやすさ ★☆☆☆☆
初心者向き度 ★★★☆☆
コスパ(満足度) ★★★★☆

要約・内容紹介

10年後の約束——あおいとJunの物語

主人公はあおい。イタリア留学中に出会い、深く愛し合ったJun(準)とは、かつて別れました。しかしその別れ際に、Junはあおいに言います。「2000年5月25日、ミラノのドゥオモの頂上で待っている」と。

物語は、その約束の日が近づいてくる時間の流れの中で進みます。あおいはそれぞれの日常を生き、別の男性と関係を持ちながらも、Junのことを忘れられずにいます。彼女の心の中には常に「冷静」と「情熱」が同居しており、どちらかに踏み切れないまま時間だけが流れていく——そのもどかしさと美しさが、江國香織の言葉で丁寧に描かれています。

「女性の視点」という文学的な仕掛け

本作は辻仁成の『Blu』と同時刊行され、男性側(順)の視点をBluで、女性側(あおい)の視点をRossoで書き分けるという前代未聞の構成を取っています。Rossoだけを読んでも完結した物語として読めますが、Bluと並べて読むことで、同じ出来事がふたりの目にはまったく違う色で映っていることがわかります。

Rossoというタイトルはイタリア語で「赤」。情熱・愛・感情を象徴する色として、あおいの内側にある熱さと痛みを表しています。江國香織の文章は、感情を直接言葉にするのではなく、情景や動作の描写を通じてじわじわと感情を伝える書き方をしており、その技術が本作でも冴え渡っています。

実際に試してみた

読む前の期待

映画化もされた有名な恋愛小説として知っており、「きれいな恋愛が描かれた読みやすい本」というイメージを持っていました。Blu(辻仁成パート)も一緒に読もうと両方購入して手に取りました。

読んで残ったもの

あおいの揺れ方の繊細な描写に何度も息を止めました。好きなのに踏み出せない、忘れたいのに忘れられない——そういう感情をこれほど正確に文章にできるのかという驚きが残りました。Rossoを先に読んでからBluを読んだのですが、同じ出来事に対する男女の受け取り方の差が面白く、ふたりで読むのにも最適な本だと思いました。

読後の変化

「恋愛小説」というジャンルに対する偏見が少し変わりました。恋愛小説は軽いものという思い込みがあったのですが、本作は人間の感情の複雑さを描く、立派な文学だと感じました。江國香織の他の作品も読みたくなりました。

読者の評判・口コミ

楽天ブックスでは100件以上のレビューがあり、評価は平均4点以上の高水準です。「何度読んでも泣ける」「Bluと交互に読むのがおすすめ」という声が多く、リピート読者も多い人気作です。一方で「物語が静かすぎて盛り上がりに欠ける」「恋愛のもやもや感が解消されないまま終わる」という声もあります。カタルシスを求める読者には向かないかもしれません。

良い点

  • Rosso・Bluという二部構成が生む「視点の差」という文学的な楽しみが独特
  • 江國香織の文章の美しさが全編にわたって発揮されており、純粋に言葉を楽しめる
  • 読み終えた後の余韻が深く、長く心に残る

注意点

  • Rosso単体でも読めるが、Bluと合わせて読まないと物語の全体像が見えにくい
  • 起承転結のはっきりしたドラマを期待すると期待外れになる可能性がある
  • 翻訳ではなく江國香織の原文のため、独特の文体に慣れる必要がある

正直、ここが物足りなかった

あおいの心理は丁寧に描かれているのに対し、物語の「動き」が少なく、中盤で少しテンポが落ちると感じました。同じ心情の揺れが繰り返される部分があり、もう少し変化がほしいと思う場面がありました。また、ミラノという舞台の魅力がもう少し描かれていると、場所への感情移入がより深まったかもしれません。

似た本と比べると

同じ江國香織作品でいうと、『神様のボート』のほうが内省の深さでは上かもしれませんが、本作はBluとのペアという形式の面白さがあります。辻仁成の『Blu』との同時読みは、男女の恋愛観の違いを体験できるという意味で他の作品との比較が難しい独自の価値があります。

この本の前後に読む本

前に読む本: 江國香織『きらきらひかる』(江國香織の恋愛小説に慣れるための入口として最適な一作です)

後に読む本: 辻仁成『冷静と情熱のあいだ Blu』(同じ物語の男性視点パート。必ずセットで読んでほしい一冊です)

読了データ

項目 内容
ページ数 約270ページ
読了時間の目安 3〜4時間
図解・イラスト なし
難易度 ★★☆☆☆(文章は美しく、読みやすい)

まとめ

『冷静と情熱のあいだ Rosso』は、恋愛小説というジャンルを超えた文学的な価値を持つ一冊です。江國香織の言葉の美しさと、Bluとの二重構造が生む独特の読書体験は、他の恋愛小説では味わえません。Bluと合わせてぜひ手に取ってください。

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この記事を書いた人

ゆう

フリーライター

フリーライター。WEBビジネス歴10年以上。3歳の息子を持つパパでもあり、育児と仕事の合間に年間200冊以上を読破。「この本で世界の見方が変わった」という体験を読者と共有したいと思いこのサイトを始めました。