【要約&レビュー】『青の炎』家族を守るため殺人を決意した17歳の少年の悲劇

レビュアー: ゆう
青の炎

青の炎

著者: 貴志 祐介

ジャンル: 小説

★★★★(4/5)
#小説#貴志祐介#ミステリー#青春

3行で分かるこの本のポイント

  • 母と妹を脅かす男から家族を守るため17歳の少年が殺人を決意する
  • 警察も法律も頼れない——少年が一人で完全犯罪を企てる切実さ
  • 知性と家族愛が生んだ悲劇——貴志祐介が描く青春ミステリーの傑作

この本はこんな人におすすめ

  • 犯人視点のミステリーが好きな方
  • 10代の葛藤を描いた物語に興味がある方
  • 貴志祐介のホラー以外の作品を読みたい方
  • 映画化作品の原作が気になる方

独自5段階評価

項目 スコア
読みやすさ ★★★★★
ストーリーの引き込み力 ★★★★★
再読したい度 ★★★★☆
初心者おすすめ度 ★★★★☆
切なさ ★★★★★

要約・内容紹介

あらすじ

湘南の高校に通う17歳の秀一。母と明るい妹との穏やかな三人暮らしに、母の元夫が転がり込んできます。暴力的で金を無心し、家庭を崩壊させようとする男。警察に相談しても、法律では排除できません。

「自分が、やるしかない」。秀一は頭脳を駆使して完全犯罪を計画します。家族を守るための殺人。17歳の少年がたった一人で背負う、あまりにも重い決断。

完全犯罪の計画

秀一は理系の優秀な高校生。科学の知識を使い、誰にも疑われない殺害方法を考案します。自転車で湘南の海岸を走りながら、少年は殺人の計画を練る。そのコントラストが切ない。

「青の炎」の意味

炎は赤く燃えるが、最も温度の高い炎は青い。秀一の怒りは表面には出ない。静かに、冷たく、しかし誰よりも熱く燃えている。タイトルの「青の炎」は、秀一の内面そのものです。

読んだ後に残ったこと

父親として、この物語は辛かった。もし息子が、家族を守るために犯罪に手を染めようとしたら。そうさせてしまった大人の責任を考えずにはいられません。

秀一は悪い子ではない。むしろ優秀で、家族思いで、優しい。でもその優しさゆえに、極端な選択をしてしまう。17歳の少年に「お前が我慢しろ」とは言えない。でも「殺人はダメだ」とも言わなければならない。その板挟みが、読後もずっと残りました。

読者の評判・口コミ

楽天レビュー1,060件超え、評価4.12。「秀一に感情移入してしまう」「切なすぎる」「貴志祐介の意外な一面」という声が多数。二宮和也主演で映画化もされた話題作です。

「結末が予想できた」「もっと救いが欲しかった」という声もありますが、青春ミステリーとしての完成度は高く評価されています。

良い点

  • 17歳の少年の葛藤がリアル
  • 完全犯罪の計画にスリルがある
  • 家族愛と犯罪の矛盾が切ない

注意点

  • 結末に救いが少ない
  • 犯罪を肯定しているように読める部分も
  • 貴志祐介のホラーを期待すると違う

この本の前後に読む本

前に読む本: 『黒い家』。同じ貴志祐介のホラー。ホラー作家の別の顔を知ってから読むと、本書の意外性が際立ちます。

後に読む本: 『ボトルネック』。米澤穂信の青春小説。10代の苦悩と自己の存在意義を問うテーマが通じています。

読了データ

項目 内容
ページ数 約370ページ
読了時間の目安 4〜5時間
図解・イラスト なし
難易度 ★★☆☆☆(読みやすい青春ミステリー)

まとめ

『青の炎』は、家族を守るために殺人を決意した17歳の少年の悲劇を描いた貴志祐介の青春ミステリーです。静かに、しかし誰よりも熱く燃える「青の炎」。少年の知性と愛情が生んだ完全犯罪の行方を、ぜひ見届けてください。

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この記事を書いた人

ゆう

フリーライター

フリーライター。WEBビジネス歴10年以上。3歳の息子を持つパパでもあり、育児と仕事の合間に年間200冊以上を読破。「この本で世界の見方が変わった」という体験を読者と共有したいと思いこのサイトを始めました。