【要約&レビュー】『対岸の彼女』結婚・子ども・仕事——女同士はなぜ分かり合えなくなるのか

レビュアー: ゆう
対岸の彼女

対岸の彼女

著者: 角田 光代

ジャンル: 小説

★★★☆☆(3/5)
#小説#角田光代#直木賞#女性

3行で分かるこの本のポイント

  • 専業主婦と独身キャリア女性——立場が違うだけで分かり合えなくなる女同士の友情
  • 現在と過去が交互に描かれ**「女同士の断絶」の根源**に迫る直木賞受賞作
  • 結婚・子ども・仕事——女性の「選択」が友情を変えてしまう痛みを描く

この本はこんな人におすすめ

  • 女性の生き方や友情について考えたい方
  • 角田光代の作品を初めて読む方
  • 直木賞受賞作を読みたい方
  • ママ友関係や女性同士の距離感に悩んだことがある方

独自5段階評価

項目 スコア
読みやすさ ★★★★☆
ストーリーの引き込み力 ★★★★☆
再読したい度 ★★★☆☆
初心者おすすめ度 ★★★★☆
共感度 ★★★★☆

要約・内容紹介

あらすじ

35歳の専業主婦・小夜子は、子育てに追われる日々の中でママ友との関係に疲れています。ある日、ベンチャー企業を経営する同い年の葵と出会い、彼女のもとでパートとして働き始めます。

独身でバリバリ働く葵と、子どもを抱える小夜子。最初は意気投合しますが、やがて立場の違いが二人の間に見えない壁を作り始めます。一方、物語は葵の高校時代にさかのぼり、もう一つの「友情」が描かれます。

「対岸」の距離

結婚している・していない。子どもがいる・いない。それだけで、女性は「対岸」に立ってしまう。川の向こう側にいる相手のことは見えるけれど、触れられない。この「対岸」の感覚が、多くの女性読者の共感を呼んでいます。

過去と現在

現在の小夜子と葵の物語、そして葵の高校時代の物語。二つの時間軸が交互に描かれ、やがて一つの真実に収束していきます。過去の友情の痛みが、現在の葵の行動の理由を明かしていく構成が見事です。

読んだ後に残ったこと

男性の自分が読んでも、この「立場の違いによる断絶」は身近に感じました。フリーランスと会社員、既婚と独身。人はカテゴリーで他人を判断してしまう。

妻がママ友関係で悩んでいた時、この本のことを思い出しました。「分かり合えない」ことの辛さ。でも「分かり合おうとする」ことには意味がある。そう思わせてくれる小説でした。

読者の評判・口コミ

楽天レビュー1,250件超え、評価3.78。「女性なら共感できる」「刺さりすぎて辛い」「角田光代の代表作」という声が多数。直木賞受賞作品です。

「男性には分かりにくい」「やや重い」という声もありますが、男女問わず「人間関係の断絶」というテーマは普遍的です。

良い点

  • 女性の友情の複雑さをリアルに描いている
  • 過去と現在が交差する構成が見事
  • 読後に人間関係を考え直すきっかけになる

注意点

  • テーマがやや重い
  • 男性読者には実感しにくい部分もある
  • 爽快感のある結末ではない

この本の前後に読む本

前に読む本: 特になし。角田光代の入門として最適です。

後に読む本: 『三千円の使いかた』。同じく女性の生き方をテーマにした小説。こちらはより軽く読めます。

読了データ

項目 内容
ページ数 約310ページ
読了時間の目安 4〜5時間
図解・イラスト なし
難易度 ★★☆☆☆(読みやすい文体)

まとめ

『対岸の彼女』は、結婚や子どもの有無で分かり合えなくなる女性同士の友情を描いた角田光代の直木賞受賞作です。「対岸」に立ってしまった相手との距離感は、女性だけでなく全ての人間関係に通じるテーマ。人との関係を見つめ直したい方に読んでほしい一冊です。

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この記事を書いた人

ゆう

フリーライター

フリーライター。WEBビジネス歴10年以上。3歳の息子を持つパパでもあり、育児と仕事の合間に年間200冊以上を読破。「この本で世界の見方が変わった」という体験を読者と共有したいと思いこのサイトを始めました。