【要約&レビュー】『クライマーズ・ハイ』日航機墜落事故と新聞記者の極限——横山秀夫の傑作

レビュアー: ゆう
クライマーズ・ハイ

クライマーズ・ハイ

著者: 横山 秀夫

ジャンル: 小説

★★★★(4/5)
#小説#横山秀夫#社会派#新聞記者

3行で分かるこの本のポイント

  • 1985年日航機墜落事故——地元紙の全権デスクに任命された記者・悠木の極限の数日間
  • 未曾有の大事故を前に組織の相剋、上司との対立、記者としての使命に引き裂かれる
  • 元新聞記者・横山秀夫だからこそ書けた新聞社の内側をリアルに描く社会派小説の傑作

この本はこんな人におすすめ

  • 新聞やメディアの裏側に興味がある方
  • 組織の中で葛藤した経験がある方
  • 骨太な社会派小説を読みたい方
  • 横山秀夫作品を初めて読む方

独自5段階評価

項目 スコア
読みやすさ ★★★☆☆
ストーリーの引き込み力 ★★★★★
再読したい度 ★★★★☆
初心者おすすめ度 ★★★☆☆
緊迫感 ★★★★★

要約・内容紹介

あらすじ

1985年8月12日、日本航空123便が群馬県の御巣鷹山に墜落。乗客乗員520人が犠牲になった未曾有の大事故。地元紙・北関東新聞の遊軍記者・悠木和雅は、事故報道の全権デスクに任命されます。

同じ日、悠木と共に衝立岩の登攀を予定していた同僚・安西が病院に搬送されていた。事故と同僚の運命。悠木は極限の状態で、新聞記者としての使命を果たそうとします。

新聞社という組織

横山秀夫が元新聞記者だからこそ描ける、新聞社の内側。編集局の怒号、整理部との対立、上層部の政治的判断。記者が現場で見た真実が、組織のフィルターを通して変質していく。その息苦しさがリアルです。

クライマーズ・ハイとは

登山用語で「極度の興奮状態で恐怖を感じなくなること」。悠木は事故報道に没頭するうちに、まさにクライマーズ・ハイに陥っていきます。冷静さを失いながらも止まれない。その状態が怖くもあり、人間味もある。

読んだ後に残ったこと

フリーランスとして働いている今、組織の中での葛藤は遠い話のようですが、読んでいて会社員時代を思い出しました。上司の判断に納得できない時、自分の正義を貫くか、組織の論理に従うか。悠木のジレンマは、組織で働いたことがある人なら誰もが経験したことがあるはずです。

日航機事故は僕が生まれる前の出来事ですが、この小説を読んで初めて「その日」の空気を感じました。520人の命の重さと、それを報じることの責任。新聞を読む時の姿勢が変わりました。

読者の評判・口コミ

楽天レビュー980件超え、評価4.29と高評価。「横山秀夫の最高傑作」「新聞社のリアルさに圧倒された」「一気読みした」という声が多数。映画化・ドラマ化もされた名作です。

「新聞業界の専門用語が多い」「登場人物が多くて混乱する」という声もありますが、慣れれば圧倒的な没入感が待っています。

良い点

  • 新聞社の内側のリアルさが圧巻
  • 極限状態の人間描写が秀逸
  • 日航機事故を追体験できる迫力

注意点

  • 新聞業界の専門用語が多い
  • 登場人物が多く整理が必要
  • 重いテーマなので気軽には読めない

この本の前後に読む本

前に読む本: 『13階段』。同じく社会的テーマを扱ったサスペンス。骨太な小説の流れで本書に臨めます。

後に読む本: 『#真相をお話しします』。現代のSNS時代のミステリー。新聞の時代からSNSの時代へ、メディアの変化を感じながら読めます。

読了データ

項目 内容
ページ数 約470ページ
読了時間の目安 6〜8時間
図解・イラスト なし
難易度 ★★★☆☆(専門用語に慣れれば読みやすい)

まとめ

『クライマーズ・ハイ』は、日航機墜落事故を追う新聞記者の極限の数日間を描いた横山秀夫の傑作です。組織の相剋と記者の使命。元新聞記者だからこそ描けたリアルさが、読者を圧倒する一冊です。

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この記事を書いた人

ゆう

フリーライター

フリーライター。WEBビジネス歴10年以上。3歳の息子を持つパパでもあり、育児と仕事の合間に年間200冊以上を読破。「この本で世界の見方が変わった」という体験を読者と共有したいと思いこのサイトを始めました。