【要約&レビュー】『失はれる物語』触覚しか残っていない男とピアニストの妻——乙一が描く珠玉の8編短編集

レビュアー: ゆう
失はれる物語

失はれる物語

著者: 乙 一/青柳 奈美

ジャンル: 小説

★★★★(4/5)
#小説#乙一#短編集#切ない物語

3行で分かるこの本のポイント

  • 触覚以外の感覚を失った男とピアニストの妻の切ない愛を描く表題作
  • 日常と非日常が交錯する乙一が得意とする切なく美しい物語群
  • 書き下ろし「ウソカノ」含む珠玉の8編短編集

この本はこんな人におすすめ

  • 乙一作品のファン
  • 切なく美しい物語が好きな方
  • 短編集で色々な物語を楽しみたい方
  • 『GOTH』『ZOO』が好きだった方

独自5段階評価

項目 スコア
読みやすさ ★★★★☆
ストーリーの引き込み力 ★★★★★
切なさの余韻 ★★★★★
乙一らしい世界観 ★★★★★
短編集の完成度 ★★★★☆

要約・内容紹介

表題作「失はれる物語」

事故で全身不随となり、触覚以外の感覚を失った「私」。ピアニストである妻は、私の腕を鍵盤代わりに「演奏」を続けます——。

妻の指先が私の腕を叩く振動だけで、私は世界とつながれる。絶望の果てに「私」が下した選択とは——。切なくも美しいラブストーリーが、読者の胸を締め付けます。

多彩な珠玉短編

本書には表題作を含む8編が収録。日常の中に潜む非日常を描いた「傷」、命の価値を問う「幸せは子猫のかたち」、そして書き下ろし「ウソカノ」——。

乙一さんが得意とする「白乙一」(切なく優しい物語)と「黒乙一」(不穏で暗い物語)のバランスが絶妙。短編集としての完成度が非常に高い一冊です。

乙一の人気代表作

『GOTH リストカット事件』『ZOO』で知られる乙一さんの短編集。1998年のデビュー以来、若者を中心に絶大な人気を誇る著者の代表作の一つです。

2006年刊行以来、日本ホラー小説大賞受賞作家らしい独特の世界観が凝縮。乙一入門としても、長年のファンにも満足できる一冊です。

読んだ後に残ったこと

僕はこの本を読んで、「五感」の当たり前さに感謝しました。視覚、聴覚、触覚——。それらが失われる想像をするだけで、日々の小さな喜びの尊さが分かります。

フリーライターとして文字を書ける、音楽を聴ける、妻や息子に触れられる。そんな当たり前を大切にしたい。本書は日常に「ありがとう」を思い出させてくれる一冊でした。

読者の評判・口コミ

楽天レビュー814件超え、評価4.06と高評価。「乙一らしい切なさ」「表題作が泣ける」「短編集として完成度が高い」という声が多いです。

「短編ごとに雰囲気が違いすぎ」「暗い話もある」という意見もありますが、乙一ファンには必読の一冊です。

良い点

  • 表題作の切ない美しさ
  • 短編ごとに異なる色合い
  • 乙一らしい独特の世界観

注意点

  • 暗い短編もある
  • 短編ごとに好き嫌いが分かれる
  • 白乙一と黒乙一の差が大きい

この本の前後に読む本

前に読む本: 『GOTH リストカット事件』。乙一のデビュー短編集代表作。先に読むと乙一ワールドに馴染めます。

後に読む本: 『ZOO』。乙一のホラー短編集。本書の後に読むと乙一の幅が実感できます。

読了データ

項目 内容
ページ数 約304ページ
読了時間の目安 3〜4時間
図解・イラスト なし
難易度 ★★☆☆☆(短編で読みやすい)

まとめ

『失はれる物語』は、触覚だけが残った男とピアニストの妻の愛を描く表題作を含む、乙一の珠玉の8編短編集です。切なく美しい世界観。乙一入門にも最適な一冊です。

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この記事を書いた人

ゆう

フリーライター

フリーライター。WEBビジネス歴10年以上。3歳の息子を持つパパでもあり、育児と仕事の合間に年間200冊以上を読破。「この本で世界の見方が変わった」という体験を読者と共有したいと思いこのサイトを始めました。