【要約&レビュー】『分身』自分にそっくりなもう一人の私——東野圭吾が描くクローンの悲劇
分身
著者: 東野 圭吾
ジャンル: 小説
試し読みもできます
Amazonで『分身』をチェックする3行で分かるこの本のポイント
- 札幌の鞠子と東京の双葉——自分にそっくりな「もう一人の自分」の存在に気づく
- 二人が追う出生の秘密に隠されたクローン技術の闇
- 「自分とは何か」を問いかける東野圭吾のSFミステリー
この本はこんな人におすすめ
- 東野圭吾のSF系作品が好きな方
- クローンや遺伝子をテーマにした物語に興味がある方
- 二人の視点が交互に進む構成が好きな方
- 『変身』が好きだった方
独自5段階評価
| 項目 | スコア |
|---|---|
| 読みやすさ | ★★★★★ |
| ストーリーの引き込み力 | ★★★★☆ |
| 再読したい度 | ★★★☆☆ |
| 初心者おすすめ度 | ★★★★☆ |
| 設定の面白さ | ★★★★☆ |
要約・内容紹介
あらすじ
札幌に暮らす女子大生・氏家鞠子は、テレビで自分にそっくりな東京の女子大生・小林双葉を見て衝撃を受けます。双葉もまた、鞠子の存在に気づきます。
なぜ会ったこともない二人がここまで似ているのか。二人は独自に自分の出生の秘密を調べ始めますが、そこには科学者たちの野心と、隠された実験の痕跡がありました。
二つの視点
物語は鞠子パートと双葉パートが交互に進みます。別々の場所で、同じ謎に迫る二人。それぞれの環境や性格は異なるのに、不思議と同じ方向に導かれていく。二人の物語が交差する瞬間が、ミステリーとしてのクライマックスです。
科学と倫理
「クローン技術で人間を作ることは許されるのか」。本書が書かれた時代から現在まで、この問いは色あせていません。科学の進歩がもたらす倫理的問題を、エンタメとして描く東野圭吾の手腕が光ります。
読んだ後に残ったこと
もし自分にそっくりな人間がもう一人いたら。DNA が同じなら、その人は「自分」なのか「他人」なのか。『変身』と同じく、東野圭吾はSFの設定を使って人間のアイデンティティを問いかけてきます。
親として考えると、子どもの遺伝子を操作することの是非は他人事ではありません。テクノロジーの進化は止まらない。だからこそ、こういう問いを投げかける小説の価値がある。
読者の評判・口コミ
楽天レビュー1,070件超え、評価3.88。「二人の視点が交差する構成が面白い」「東野圭吾のSFは読みやすい」「結末に考えさせられた」という声がある一方、「SF設定が古い」「展開が予想できる」という声も。
東野圭吾のSF三部作(『変身』『分身』『パラレルワールド・ラブストーリー』)の一つとして位置づけられています。
良い点
- 二人の視点が交互に進む構成が面白い
- クローンという設定が考えさせる
- テンポが良く読みやすい
注意点
- SF設定のリアリティはやや弱い
- 展開が予想しやすい面がある
- 結末に賛否がある
この本の前後に読む本
前に読む本: 『変身』。同じ東野圭吾のSFミステリー。脳移植で変わる人間を描いた作品と合わせて読むと、東野圭吾のSF観が見えてきます。
後に読む本: 『パラレルワールド・ラブストーリー』。東野圭吾SF三部作の完結。記憶と現実の境界を描くSFミステリーです。
読了データ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ページ数 | 約380ページ |
| 読了時間の目安 | 4〜5時間 |
| 図解・イラスト | なし |
| 難易度 | ★★☆☆☆(読みやすいSF) |
まとめ
『分身』は、自分にそっくりな「もう一人の自分」の存在に気づいた二人の女性が出生の秘密に迫るSFミステリーです。クローン技術がもたらす倫理的問題を、東野圭吾らしいエンタメとして描いた一冊。「自分とは何か」を考えさせられる、SFミステリーの佳作です。
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Amazonで『分身』をチェックするこの記事を書いた人
ゆう
フリーライター
フリーライター。WEBビジネス歴10年以上。3歳の息子を持つパパでもあり、育児と仕事の合間に年間200冊以上を読破。「この本で世界の見方が変わった」という体験を読者と共有したいと思いこのサイトを始めました。