【要約&レビュー】『分身』自分にそっくりなもう一人の私——東野圭吾が描くクローンの悲劇

レビュアー: ゆう
分身

分身

著者: 東野 圭吾

ジャンル: 小説

★★★★(4/5)
#小説#東野圭吾#SF#ミステリー

3行で分かるこの本のポイント

  • 札幌の鞠子と東京の双葉——自分にそっくりな「もう一人の自分」の存在に気づく
  • 二人が追う出生の秘密に隠されたクローン技術の闇
  • 「自分とは何か」を問いかける東野圭吾のSFミステリー

この本はこんな人におすすめ

  • 東野圭吾のSF系作品が好きな方
  • クローンや遺伝子をテーマにした物語に興味がある方
  • 二人の視点が交互に進む構成が好きな方
  • 『変身』が好きだった方

独自5段階評価

項目 スコア
読みやすさ ★★★★★
ストーリーの引き込み力 ★★★★☆
再読したい度 ★★★☆☆
初心者おすすめ度 ★★★★☆
設定の面白さ ★★★★☆

要約・内容紹介

あらすじ

札幌に暮らす女子大生・氏家鞠子は、テレビで自分にそっくりな東京の女子大生・小林双葉を見て衝撃を受けます。双葉もまた、鞠子の存在に気づきます。

なぜ会ったこともない二人がここまで似ているのか。二人は独自に自分の出生の秘密を調べ始めますが、そこには科学者たちの野心と、隠された実験の痕跡がありました。

二つの視点

物語は鞠子パートと双葉パートが交互に進みます。別々の場所で、同じ謎に迫る二人。それぞれの環境や性格は異なるのに、不思議と同じ方向に導かれていく。二人の物語が交差する瞬間が、ミステリーとしてのクライマックスです。

科学と倫理

「クローン技術で人間を作ることは許されるのか」。本書が書かれた時代から現在まで、この問いは色あせていません。科学の進歩がもたらす倫理的問題を、エンタメとして描く東野圭吾の手腕が光ります。

読んだ後に残ったこと

もし自分にそっくりな人間がもう一人いたら。DNA が同じなら、その人は「自分」なのか「他人」なのか。『変身』と同じく、東野圭吾はSFの設定を使って人間のアイデンティティを問いかけてきます。

親として考えると、子どもの遺伝子を操作することの是非は他人事ではありません。テクノロジーの進化は止まらない。だからこそ、こういう問いを投げかける小説の価値がある。

読者の評判・口コミ

楽天レビュー1,070件超え、評価3.88。「二人の視点が交差する構成が面白い」「東野圭吾のSFは読みやすい」「結末に考えさせられた」という声がある一方、「SF設定が古い」「展開が予想できる」という声も。

東野圭吾のSF三部作(『変身』『分身』『パラレルワールド・ラブストーリー』)の一つとして位置づけられています。

良い点

  • 二人の視点が交互に進む構成が面白い
  • クローンという設定が考えさせる
  • テンポが良く読みやすい

注意点

  • SF設定のリアリティはやや弱い
  • 展開が予想しやすい面がある
  • 結末に賛否がある

この本の前後に読む本

前に読む本: 『変身』。同じ東野圭吾のSFミステリー。脳移植で変わる人間を描いた作品と合わせて読むと、東野圭吾のSF観が見えてきます。

後に読む本: 『パラレルワールド・ラブストーリー』。東野圭吾SF三部作の完結。記憶と現実の境界を描くSFミステリーです。

読了データ

項目 内容
ページ数 約380ページ
読了時間の目安 4〜5時間
図解・イラスト なし
難易度 ★★☆☆☆(読みやすいSF)

まとめ

『分身』は、自分にそっくりな「もう一人の自分」の存在に気づいた二人の女性が出生の秘密に迫るSFミステリーです。クローン技術がもたらす倫理的問題を、東野圭吾らしいエンタメとして描いた一冊。「自分とは何か」を考えさせられる、SFミステリーの佳作です。

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この記事を書いた人

ゆう

フリーライター

フリーライター。WEBビジネス歴10年以上。3歳の息子を持つパパでもあり、育児と仕事の合間に年間200冊以上を読破。「この本で世界の見方が変わった」という体験を読者と共有したいと思いこのサイトを始めました。