【要約&レビュー】『BUTTER』女性連続殺人犯の「おいしいもの」が暴く欲望の本質

レビュアー: ゆう

※本記事はAIを活用して作成しています。

BUTTER

BUTTER

著者: 柚木 麻子

ジャンル: 小説

★★★★(4/5)
#小説#柚木麻子#社会派#グルメ

3行で分かるこの本のポイント

  • 実在の事件をモチーフに、料理で男を虜にした女性連続殺人犯と女性記者の対話を通じて「欲望」の本質に迫る
  • 食べることへの執着、女性の生き方、社会の偏見——「バター」という素材を軸に複数のテーマが交差する圧倒的な密度
  • 読んでいるうちに「正しい欲求」と「罪深い欲求」の境界線がわからなくなっていく、読者を揺さぶる問題作

この本はこんな人におすすめ

  • 食と欲望が交差する重厚な社会派小説が好きな方
  • 柚木麻子の作品を深く読みたい方
  • 女性の生き方・社会の歪みについて考えたい方
  • 「おいしいもの」の描写に惹かれる方

こんな人には合わないかも

  • グルメ小説として軽く読もうとしている方
  • 暗くて重い内容が苦手な方
  • スピーディーな展開を好む方

独自5段階評価

項目 スコア
内容の濃さ ★★★★★
読みやすさ ★★★☆☆
実践のしやすさ ★☆☆☆☆
初心者向き度 ★★☆☆☆
コスパ(満足度) ★★★★☆

要約・内容紹介

料理が凶器になる物語

主人公はフリーライターの町田里佳。彼女は獄中にいる女性連続殺人犯・梶井真奈子に取材のアポを取り付けます。梶井は「料理で男を虜にした」と言われる女性で、外見は決して美人ではないにもかかわらず複数の男性から財産を奪い、そのうち何人かを死に至らしめたとされています。

梶井は里佳に対して「バターたっぷりのフレンチをつくって食べろ」と命じてきます。その奇妙な要求から始まる2人の関係が、物語の核心です。取材のつもりだった里佳が、いつの間にか梶井の言葉に侵食されていきます。

「欲しがる」ことの罪と解放

本書の本質的なテーマは、「欲望を持つこと」の是非です。梶井は「おいしいものを食べたい」「愛されたい」「生きたい」という欲求に素直に従って生きてきました。それは確かに罪ではあるのですが、読み進めるうちに「私たちが日々抑えている欲望と何が違うのか」という問いが浮かびあがってきます。

バターという素材は本書において単なる食材ではありません。禁じられてきたもの、太るから我慢するもの、でも本当は欲しいもの——そういった「社会に抑圧された欲望」の象徴として機能しています。

実際に試してみた(読んだ後に残ったこと)

読む前の期待

「料理が出てくる小説」として手に取ったのが正直なところです。グルメ描写が豊富と聞いていたので、食欲を刺激される読書体験を期待していました。

読んで残ったもの

食欲が刺激されるどころか、読みながら「欲しがること自体が怖い」という感覚になっていきました。梶井の論理はどこかで理解できてしまうのが不気味で、「この人は本当に間違っているのか」という問いが最後まで自分の中で解決しませんでした。食べ物の描写は本当に美しいのに、それが同時に不穏さを増幅させる構造になっていることに気づいたとき、この小説の凄みを感じました。

読後の変化

しばらくバターたっぷりの料理が食べたくなりました(そして実際に食べました)。それが梶井の「正直に欲しがれ」という呪いにかかったのか、純粋に食欲が刺激されたのかはわかりません。ともかく、読み終わった後も長く頭に残る小説でした。

読者の評判・口コミ

楽天ブックスでは高評価が多く、「読み終わった後も梶井の言葉が頭を離れない」「こんなに読後感が複雑な小説は久しぶり」という声が目立ちます。一方で「長すぎて途中で読む気が失せた」「テーマが重くて疲れた」という意見もあります。文庫版で600ページを超える大作なので、覚悟を持って読み始める方がいいかもしれません。

良い点

  • 食べ物の描写が圧倒的に官能的で美しい
  • 梶井というキャラクターが強烈で忘れられない
  • 「正しい欲求とは何か」という問いを読者に突きつける社会的なテーマが骨太

注意点

  • 文庫版で600ページ超の大作で、読み通すのに時間がかかる
  • グルメ小説を期待すると意外な重さに戸惑う
  • 道徳的に不快と感じる描写が含まれる場合がある

正直、ここが物足りなかった

後半の展開がやや冗長に感じる箇所があり、物語全体のテンポが落ちる部分がありました。また主人公の里佳の変化が「梶井に侵食される」方向だけでなく、もう少し能動的な動きがあれば読後感が変わったかもしれません。

似た本と比べると

桐野夏生『グロテスク』も「外見と欲望、女性の生き方」を題材にした重厚な社会派小説で、本書と近いテーマを共有しています。食の描写という観点では、原田マハ『本日は、お日柄もよく』など明るいグルメ要素のある作品とは対照的な位置付けです。本書は「食×犯罪×欲望」という組み合わせが唯一無二であり、類書を探すのが難しい作品です。

この本の前後に読む本

前に読む本: 『ランチのアッコちゃん』柚木麻子——同著者の軽めの食の小説で、柚木麻子の文体に親しんでから本書に入るとギャップが楽しめます。

後に読む本: 『グロテスク』桐野夏生——同じく女性の欲望と社会の偏見を描いた重厚な社会派小説として、本書の読後感を引き継いで読めます。

読了データ

項目 内容
ページ数 約600ページ(文庫版)
読了時間の目安 8〜12時間
図解・イラスト なし
難易度 ★★★☆☆(文章は読みやすいが内容の重さと量がある)

まとめ

「欲しがること」の本質を問い続ける、読んだ後にずっと何かが残る小説です。軽いグルメ小説ではなく、本格的な社会派小説として覚悟して読んでほしいです。梶井真奈子という稀有なキャラクターを一度知ったら、なかなか忘れられません。

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この記事を書いた人

ゆう

フリーライター

フリーライター。WEBビジネス歴10年以上。3歳の息子を持つパパでもあり、育児と仕事の合間に年間200冊以上を読破。「この本で世界の見方が変わった」という体験を読者と共有したいと思いこのサイトを始めました。