【要約&レビュー】『ババヤガの夜』暴力だけが武器の少女×ヤクザの令嬢——破壊と解放のノワール小説

レビュアー: ゆう
ババヤガの夜

ババヤガの夜

著者: 王谷 晶

ジャンル: 小説

★★★★(4/5)
#小説#王谷晶#ノワール#女性

3行で分かるこの本のポイント

  • 暴力を唯一の趣味とする少女・依子が暴力団会長の令嬢の護衛に就く異色のノワール
  • 籠の鳥のような令嬢と野獣のような依子——正反対の二人の女の絆
  • 2024年本屋大賞ノミネート——暴力の先にある「解放」を描く衝撃作

この本はこんな人におすすめ

  • ハードボイルドやノワール小説が好きな方
  • 女性が主人公のアクション系小説を読みたい方
  • 本屋大賞ノミネート作品を読みたい方
  • 型破りな物語が好きな方

独自5段階評価

項目 スコア
読みやすさ ★★★★☆
ストーリーの引き込み力 ★★★★★
再読したい度 ★★★★☆
初心者おすすめ度 ★★★☆☆
インパクト ★★★★★

要約・内容紹介

あらすじ

新道依子、18歳。暴力を唯一の趣味とする少女。その腕っぷしを買われ、関東有数の暴力団・内樹會に拾われます。任されたのは、会長が溺愛する一人娘・青葉の運転手兼護衛。

しかし青葉を取り巻く環境は苛酷なものでした。父である会長の愛情は支配であり、青葉は美しい籠の中に閉じ込められた鳥。依子は青葉を守るうちに、「守る」の意味が変わっていきます。

暴力という言語

依子にとって暴力は、唯一の自己表現。言葉で伝えられないことを、拳で語る。それは決して美化されるものではないけれど、依子の暴力には不思議な純粋さがあります。

ババヤガとは

ババヤガはスラブ民話に登場する魔女。恐ろしくも賢い老婆で、森の奥に住んでいる。依子はまさに現代のババヤガ——恐ろしいけれど、時に人を救う存在です。

読んだ後に残ったこと

読み始めてすぐ、「これは普通の小説じゃない」と感じました。暴力描写は容赦ないのに、依子と青葉の関係には不思議な優しさがある。

僕は普段ハードボイルドはあまり読まないのですが、これは女性同士の絆の物語として読めました。男性中心のヤクザの世界で、女が女を救う。その構図が新鮮で、最後のシーンでは鳥肌が立ちました。

息子が将来「強さ」について考える時、力の強さではなく、誰かを守る強さがあることを伝えたい。依子の強さは、まさにそういう強さだったと思います。

読者の評判・口コミ

楽天レビュー1,010件超え、評価3.92。「圧倒的な疾走感」「女同士の絆に泣いた」「こんな小説初めて」という声が多数。2024年本屋大賞ノミネート作品です。

「暴力描写が苦手」「後半が駆け足」という声もありますが、暴力の先にある解放に多くの読者が心を打たれています。

良い点

  • 依子というキャラクターの圧倒的な存在感
  • 女性同士の絆の描き方が新鮮
  • 疾走感のある文体で一気読みできる

注意点

  • 暴力描写がかなりハード
  • ヤクザの世界が苦手な方には厳しい
  • 後半の展開がやや急ぎ足

この本の前後に読む本

前に読む本: 『ストロベリーナイト』。同じく女性×ハードな世界を描いた作品。姫川玲子の強さから入ると、依子の異質さが際立ちます。

後に読む本: 『黒い家』。同じくダークな世界観の小説。ノワールからホラーへ、暗い物語の旅を続けられます。

読了データ

項目 内容
ページ数 約280ページ
読了時間の目安 3〜4時間
図解・イラスト なし
難易度 ★★★☆☆(暴力描写に耐性が必要)

まとめ

『ババヤガの夜』は、暴力だけが武器の少女とヤクザの令嬢が出会い、互いの「籠」から解放されていくノワール小説です。暴力の先にある優しさと自由。型破りな物語が好きな方に、ぜひ手に取ってほしい一冊です。

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この記事を書いた人

ゆう

フリーライター

フリーライター。WEBビジネス歴10年以上。3歳の息子を持つパパでもあり、育児と仕事の合間に年間200冊以上を読破。「この本で世界の見方が変わった」という体験を読者と共有したいと思いこのサイトを始めました。