【要約&レビュー】『ある閉ざされた雪の山荘で』芝居か現実か——東野圭吾の密室トリック
ある閉ざされた雪の山荘で
著者: 東野 圭吾
ジャンル: 小説
試し読みもできます
Amazonで『ある閉ざされた雪の山荘で』をチェックする3行で分かるこの本のポイント
- 雪の山荘に集められた俳優志願の男女7人——殺人劇の稽古のはずが本物の事件に?
- 「これは芝居か現実か」——読者も登場人物も疑い続ける二重構造のミステリー
- 東野圭吾が仕掛けた1度限りの大トリック——結末で全てがひっくり返る
この本はこんな人におすすめ
- クローズドサークルものが好きな方
- 東野圭吾の初期ミステリーを読みたい方
- 「信頼できない語り手」系の作品が好きな方
- 雪山の密室ミステリーに惹かれる方
独自5段階評価
| 項目 | スコア |
|---|---|
| 読みやすさ | ★★★★☆ |
| ストーリーの引き込み力 | ★★★★☆ |
| 再読したい度 | ★★★☆☆ |
| 初心者おすすめ度 | ★★★★☆ |
| トリックの巧みさ | ★★★★☆ |
要約・内容紹介
あらすじ
早春の乗鞍高原のペンション。オーディションに合格した俳優志願の男女7人が集まります。これから4日間、殺人劇の舞台稽古を行うという。しかし演出家は「吹雪で来られない」と連絡が。
そして翌朝、メンバーの一人が姿を消す。部屋には血痕と「殺害された」というメモ。これは稽古の一環なのか、本当の事件なのか。メンバーたちは疑心暗鬼に陥っていきます。
芝居と現実の境界
本書の核心は「芝居か現実か分からない」恐怖。俳優志願者たちだからこそ、演技で騙されている可能性がある。読者もまた、何が本当で何が嘘なのか判断できない。この不安定さが物語を支配します。
1度限りのトリック
東野圭吾自身が「1度限りの大トリック」と称した仕掛け。結末で明かされる真相は、それまでの全ての前提をひっくり返します。再読すると全く違う景色が見える構成です。
読んだ後に残ったこと
読み終わって最初にやったのは、冒頭から読み直すことでした。トリックが分かった上で読むと、「ここにヒントがあったのか」と唸らされます。
東野圭吾の初期作品は、後の作品と比べるとやや荒削りな部分もありますが、その分「読者を驚かせたい」という気概が強い。この作品のトリックは、後の洗練された作品群の中でも異質な大胆さがあります。
クローズドサークルものは好きなジャンルですが、「芝居か現実か」という疑いが加わることで、普通の密室ものとは全く違う読書体験になりました。
読者の評判・口コミ
楽天レビュー1,000件超え、評価3.60。「トリックに驚いた」「読み直したくなる」「東野圭吾の隠れた名作」という声がある一方、「登場人物が多くて混乱する」「トリックが分かりやすい」「初期作品ゆえの荒さがある」という声も。
好みは分かれますが、東野圭吾のミステリー技法を味わえる一冊です。
良い点
- 「芝居か現実か」の二重構造が巧み
- 結末で全てがひっくり返る驚き
- クローズドサークルとしての完成度
注意点
- 登場人物7人の整理がやや大変
- 東野圭吾の後期作品と比べると荒削り
- トリックに気づいてしまうと面白さが減る
この本の前後に読む本
前に読む本: 『13階段』。同じく密室・クローズドな空間での物語。比較すると本書の構造の独自性が分かります。
後に読む本: 『ガリレオの苦悩』。同じ東野圭吾。初期の大胆なトリックから、ガリレオシリーズの洗練されたミステリーへ。
読了データ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ページ数 | 約350ページ |
| 読了時間の目安 | 4〜5時間 |
| 図解・イラスト | なし |
| 難易度 | ★★☆☆☆(読みやすいミステリー) |
まとめ
『ある閉ざされた雪の山荘で』は、芝居と現実の境界が分からなくなる東野圭吾の密室ミステリーです。1度限りの大トリックが仕掛けられた結末の驚き。東野圭吾の初期の気概を感じられる一冊です。
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Amazonで『ある閉ざされた雪の山荘で』をチェックするこの記事を書いた人
ゆう
フリーライター
フリーライター。WEBビジネス歴10年以上。3歳の息子を持つパパでもあり、育児と仕事の合間に年間200冊以上を読破。「この本で世界の見方が変わった」という体験を読者と共有したいと思いこのサイトを始めました。