【要約&レビュー】『52ヘルツのクジラたち』届かない声を聴く2021年本屋大賞受賞作

レビュアー: ゆう
52ヘルツのクジラたち

52ヘルツのクジラたち

著者: 町田 そのこ

ジャンル: 小説

★★★★★(5/5)
#小説#本屋大賞#町田そのこ#感動

3行で分かるこの本のポイント

  • 「52ヘルツのクジラ」のように誰にも届かない声で助けを求めていた主人公の再生の物語
  • 虐待、ヤングケアラー、トランスジェンダー……現代社会の痛みを正面から描く
  • 2021年本屋大賞受賞、声なき声に耳を傾けることの大切さを教えてくれる一冊

この本はこんな人におすすめ

  • 本屋大賞受賞作を読みたい方
  • 社会問題を扱った小説に興味がある方
  • 泣ける小説を探している方
  • 「誰かの声を聴く」ことの大切さを感じたい方

独自5段階評価

項目 スコア
読みやすさ ★★★★☆
ストーリーの引き込み力 ★★★★★
再読したい度 ★★★★☆
初心者おすすめ度 ★★★★☆
感動度 ★★★★★

要約・内容紹介

あらすじ

三島貴瑚は、家族からの虐待やトラウマを抱え、都会を離れて大分の海辺の町に移り住みます。そこで出会ったのは、母親から虐待を受けている少年。声を発することができないその少年に、貴瑚はかつての自分を重ねます。

「52ヘルツのクジラ」とは、他のクジラには聞こえない周波数で鳴く孤独なクジラのこと。誰にも届かない声で助けを求めていた貴瑚は、同じように声を上げられない少年と出会い、互いに救い合っていきます。

「聴く」ことの力

本書が描くのは、「声を上げられない人」の存在に気づくこと。そして、その声を「聴こう」とすること。派手なヒーローが現れるわけではなく、ただ「聴く」という行為が人を救う。その静かな力を描いています。

現代社会の痛み

虐待、ヤングケアラー、トランスジェンダー。本書は現代社会が抱える複数の問題を、一人の主人公の人生を通して描いています。テーマは重いですが、再生への希望が確かに描かれているので、読後感は温かいものがあります。

読んだ後に残ったこと

子育てをしている身として、虐待の描写は胸が痛かったです。

3歳の息子を怒ってしまった後、この本のことを思い出すことがあります。「声を聴く」ということの大切さ。子どもの泣き声やわがままの裏にある本当の気持ちを、ちゃんと聴けているだろうか。忙しさを理由に聞き流していないだろうか。

この本を読んで、「誰かの声を聴く」ということが、特別なことではなく日常の中にあることだと気づきました。息子の「パパ見て」は、まさに52ヘルツの声なのかもしれません。

読者の評判・口コミ

楽天レビュー2,300件超え、評価4.15。「号泣した」「現代社会のリアルを描いている」「もっと多くの人に読んでほしい」という声が多数。2021年本屋大賞を受賞し、幅広い読者に支持されています。

「テーマが重すぎる」「詰め込みすぎでは」という声もありますが、それだけ社会に伝えたいメッセージが詰まった作品です。

良い点

  • 「声なき声を聴く」という普遍的なテーマ
  • 虐待やヤングケアラーなど社会問題への解像度が高い
  • 重いテーマながら再生の希望が描かれている

注意点

  • 虐待の描写がつらいと感じる方もいる
  • 複数のテーマを扱うためやや詰め込み気味
  • 読後の余韻が重い

この本の前後に読む本

前に読む本: 特になし。町田そのこの入門として読めます。

後に読む本: 町田そのこ『星を掬う』。同じ著者の作品で、こちらも「傷ついた人の再生」を描いています。また『汝、星のごとく』も「声なき声」をテーマにした名作です。

読了データ

項目 内容
ページ数 約260ページ
読了時間の目安 3〜4時間
図解・イラスト なし
難易度 ★★★☆☆(テーマは重いが読みやすい)

まとめ

『52ヘルツのクジラたち』は、「誰にも届かない声」を聴くことの大切さを教えてくれる物語です。現代社会の痛みを正面から描きつつ、再生への希望を失わない。声を上げられないすべての人に、そしてその声を聴く側のすべての人に、読んでほしい一冊です。

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この記事を書いた人

ゆう

フリーライター

フリーライター。WEBビジネス歴10年以上。3歳の息子を持つパパでもあり、育児と仕事の合間に年間200冊以上を読破。「この本で世界の見方が変わった」という体験を読者と共有したいと思いこのサイトを始めました。