【要約&レビュー】『満願』「もういいんです」——米澤穂信が直木賞候補に輝いたブラック短編ミステリー傑作集
満願
著者: 米澤 穂信
ジャンル: 小説
試し読みもできます
Amazonで『満願』をチェックする3行で分かるこの本のポイント
- 「もういいんです」人を殺めた女が控訴を取り下げた真の動機
- 復縁を望む男が訪れる死人宿、姉妹の官能と戦慄など6編の短編ミステリー
- 山本周五郎賞・日本推理作家協会賞・このミス1位三冠達成の米澤穂信の傑作集
この本はこんな人におすすめ
- 米澤穂信作品のファン
- 本格ミステリー短編が好きな方
- 三冠受賞作を読みたい方
- 『古典部シリーズ』以外の米澤作品を読みたい方
独自5段階評価
| 項目 | スコア |
|---|---|
| 読みやすさ | ★★★★☆ |
| ストーリーの引き込み力 | ★★★★★ |
| ミステリーとしての完成度 | ★★★★★ |
| 短編集としての構成 | ★★★★★ |
| 三冠にふさわしい完成度 | ★★★★★ |
要約・内容紹介
表題作「満願」
若き弁護士・藤井のもとに、かつての下宿先の女性・鵜川妙子が現れる。妙子は人を殺めた罪で裁判中でしたが、「もういいんです」と控訴を取り下げ、静かに刑に服します——。
しかし、藤井は鵜川の行動に違和感を抱き、真相を探り始める。鮮やかな幕切れに、真の動機が浮上する表題作は、短編ミステリーの金字塔と評される一品です。
多彩な短編6編
本書に収録される6編は、それぞれ独特の世界観を持っています。「夜警」「死人宿」「柘榴」「万灯」「関守」「満願」——。
復縁を望む主人公が訪れる「死人宿」、美しき中学生姉妹による官能と戦慄の「柘榴」、インフラ工事の知られざるダークサイドを描く「万灯」——。ブラックな味わいが印象的な、米澤穂信さんのミステリーの多彩さが堪能できる一冊です。
三冠達成の傑作短編集
本作は2014年、山本周五郎賞、日本推理作家協会賞、週刊文春ミステリーベスト10の1位という三冠を達成した大傑作。第151回直木賞候補にも挙がり、米澤穂信さんの大人向け作品の代表作となりました。
『氷菓』『犬はどこだ』などで若者向けミステリーの印象が強い米澤穂信さんですが、本書で見せる大人のダークなミステリーに、新たな読者が一気に増えました。
読んだ後に残ったこと
僕はこの本を読んで、「静かな狂気」の怖さを感じました。派手な殺人ではなく、日常の中に潜む歪みが、じわじわと恐怖を生む。
フリーライターとして人の心の機微を書くことがありますが、本書を読んで、表層だけでは見えない人間の内面の複雑さに改めて気づかされました。
読者の評判・口コミ
楽天レビュー805件超え、評価3.96。「三冠達成にふさわしい完成度」「表題作の切れ味」「多彩な短編が楽しめる」という声が多いです。
「短編ごとの好き嫌いがある」「読後の後味が悪い」という意見もあり、ブラックな味わいを楽しめる読者向けの一冊です。
良い点
- 表題作の絶妙な幕切れ
- 6編それぞれの独立した世界観
- 大人向けミステリーの味わい
注意点
- ブラックな読後感
- 短編ごとの好き嫌いが分かれる
- 子供向けではない
この本の前後に読む本
前に読む本: 『氷菓』。米澤穂信の古典部シリーズ。先に読むと米澤ワールドに馴染めます。
後に読む本: 『黒牢城』。米澤穂信の直木賞受賞作。本書の後に読むと米澤の大人向け作品の進化が分かります。
読了データ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ページ数 | 約352ページ |
| 読了時間の目安 | 4〜5時間 |
| 図解・イラスト | なし |
| 難易度 | ★★★☆☆(大人向けミステリー) |
まとめ
『満願』は、「もういいんです」から始まる表題作を含む、米澤穂信の三冠達成短編ミステリー傑作集です。ブラックな読後感と絶妙な構成。ミステリー好きの大人にお薦めの一冊です。
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Amazonで『満願』をチェックするこの記事を書いた人
ゆう
フリーライター
フリーライター。WEBビジネス歴10年以上。3歳の息子を持つパパでもあり、育児と仕事の合間に年間200冊以上を読破。「この本で世界の見方が変わった」という体験を読者と共有したいと思いこのサイトを始めました。