【要約&レビュー】『聖なるズー』濱野ちひろ——開高健ノンフィクション賞受賞、性と愛の境界を問うルポ

レビュアー: ゆう

※本記事はAIを活用して作成しています。

聖なるズー

聖なるズー

著者: 濱野 ちひろ

ジャンル: 恋愛・結婚

★★★★(4/5)
#ノンフィクション#性と愛#社会学#濱野ちひろ#開高健賞

3行で分かるこの本のポイント

  • 第17回開高健ノンフィクション賞受賞・Yahoo!ニュース|本屋大賞ノンフィクション本大賞受賞——衝撃的なテーマを冷静で誠実な筆致で描いた問題作
  • ドイツで動物と性的関係を持つ「ズー」へのフィールドワーク——「愛とは何か・性とは何か」という根本的な問いを読者に突きつける
  • タブーを「断罪」でなく「理解」で描く——著者の誠実な取材姿勢が既存の道徳観・倫理観を揺さぶる社会派ルポ

この本はこんな人におすすめ

  • 性や愛の概念・定義について深く考えたい方
  • タブーとされるテーマを学術的・社会学的視点で理解したい方
  • 日本でも話題になったノンフィクション賞受賞作を読みたい方
  • 「自分の常識」を問い直すような読書体験を求めている方

独自5段階評価

項目 スコア
読みやすさ ★★★★☆
テーマの社会的意義 ★★★★★
取材の誠実さ・深さ ★★★★★
読後の思考への影響 ★★★★★
万人向けかどうか ★★☆☆☆

要約・内容紹介

「ズー」とは何か

本書が取材対象とするのは、ドイツの「ズー(Zoophile)」と呼ばれる人々——動物に性的・感情的な愛情を向ける人たちです。ドイツでは動物への性行為は2012年まで違法ではなく、現在も「ズー」のコミュニティが存在します。

著者の濱野ちひろ氏は文化人類学者として、このコミュニティにフィールドワーカーとして入り込み、彼らの「愛のかたち」を記録しました。本書はその記録です。

タブーを「理解」で描く

本書の最大の特徴は、著者が「断罪する」ためでも「擁護する」ためでもなく、「理解する」ために取材していることです。

「なぜ動物を愛するのか」という問いに対し、ズーたちは「人間より動物の方が純粋で裏切らない」「動物は権力関係を持ち込まない」と語ります。彼らの言葉を通じて「人間はなぜ人間同士で愛を求めるのか」という逆説的な問いが浮かびあがります。

「愛とは何か」への問い

本書が社会に投げかける核心は「愛には対象を選ぶ理由がどこまで必要か」という問いです。LGBTQ+の権利運動が「誰を愛するかは選べない」と主張するとき、ズーたちも同じ論理を使います。しかし社会はこれを受け入れない。なぜか——この問いに正面から向き合うことで、読者は自分の「道徳観の根拠」を問い直すことになります。

読んだ後に残ったこと

読み終えて、「自分が普通だと思っていた愛の形は、どれほど社会的に構築されたものか」という疑問が残りました。

著者が誠実に取材対象と向き合い、彼らの言葉を丁寧に記録した文章からは、「断罪」でなく「理解」しようとする学者としての真摯な姿勢が伝わります。読んで不快になる方もいると思いますが、「不快感はどこから来るのか」を考えること自体が、本書の読書体験の核心だと感じました。

読者の評判・口コミ

楽天レビューでは52件で評価4.3の高評価。「タブーを超えて愛について考えさせられた」「読後に自分の価値観が揺らいだ」という感想が多いです。

「テーマ的に読めない人がいるのは理解できるが、読んだ人への影響は大きい」という評価が多く、受賞歴が示す通り、ノンフィクション文学としての質を高く評価する声が目立ちます。

良い点

  • 衝撃的なテーマを冷静・誠実な筆致で描き、扇情的にならない
  • フィールドワークに基づく一次資料の厚みが文章に説得力を与えている
  • 読後に「愛・性・道徳」について深く考えるきっかけを与えてくれる

注意点

  • テーマの性質上、生理的な拒絶感を覚える方も多い(万人向けではない)
  • 「答え」を出さず「問い」を投げかける本のため、スッキリした結末を求める方には向かない
  • 文化人類学的なアプローチのため、読者によっては「学術的すぎる」と感じる場合も

この本の前後に読む本

前に読む本: 特になし。予備知識なく読めますが、LGBTQや性の多様性に関する基礎知識があると理解が深まります 後に読む本: 愛と性の社会学をさらに学びたい方は、上野千鶴子の著作など、フェミニズム・性社会学の専門書が参考になります

読了データ

項目 内容
ページ数 約240ページ
読了時間の目安 3〜4時間
図解・イラスト なし
難易度 ★★★☆☆(文章は読みやすいがテーマの消化に時間がかかる)

まとめ

濱野ちひろ『聖なるズー』は、動物を愛する「ズー」たちへのフィールドワークを通じ、「愛とは何か・性とは何か・道徳とは何か」を問い直す開高健ノンフィクション賞受賞の問題作です。タブーを「断罪」でなく「理解」で描く誠実な取材姿勢が読者の価値観を揺さぶります。衝撃的なテーマを覚悟した上で読む価値のある、日本ノンフィクションの重要な一冊です。

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この記事を書いた人

ゆう

フリーライター

フリーライター。WEBビジネス歴10年以上。3歳の息子を持つパパでもあり、育児と仕事の合間に年間200冊以上を読破。「この本で世界の見方が変わった」という体験を読者と共有したいと思いこのサイトを始めました。