【要約&レビュー】『良いおっぱい悪いおっぱい完全版』伊藤比呂美——25年後の自分が語り直した母性の記録

レビュアー: ゆう

※本記事はAIを活用して作成しています。

良いおっぱい悪いおっぱい完全版

良いおっぱい悪いおっぱい完全版

著者: 伊藤比呂美

ジャンル: 恋愛・結婚

★★★★(4/5)
#エッセイ#子育て#母性#伊藤比呂美#女性文学

3行で分かるこの本のポイント

  • かつて一世を風靡した名エッセイに、25年後の著者が加筆した完全版として復刊
  • 授乳・子育てをめぐる生々しい感情と本音を詩的な文体で綴った唯一無二のエッセイ
  • 若いころの文章と25年後のコラムが共存し、人生の時間の重みそのものが読める

この本はこんな人におすすめ

  • 子育て中・育児を終えた親世代の方
  • 伊藤比呂美の詩・文学に関心がある方
  • 母性・女性の身体・育児をテーマにした文学を読みたい方
  • 「良いお母さん」像に違和感を感じたことがある方

こんな人には合わないかも

  • 実用的な育児情報・育児書を求めている方(本書はエッセイ・文学)
  • 赤裸々すぎる身体描写・感情表現が苦手な方
  • 子育て経験がなく、テーマに共感しにくいと感じる方

独自5段階評価

評価軸 評価
内容の濃さ ★★★★☆
読みやすさ ★★★☆☆
実践のしやすさ ★☆☆☆☆
初心者向き度 ★★★☆☆
コスパ(満足度) ★★★★☆

要約・内容紹介

若き母の本音を詩的に綴った原点

オリジナル版は、著者が若い母親だった頃の感情をほぼそのままに記した、当時としては衝撃的なまでに赤裸々なエッセイでした。授乳の生々しさ、母であることへの喜びと戸惑いと疲弊、社会から期待される「良い母親」像へのかすかな反抗。詩人でもある伊藤比呂美の文体は、日常の感情を独特のリズムと言葉で切り取り、単なる体験記を超えた文学的な読み応えを持っています。

25年後の著者が加筆した「未来からのコラム」

完全版の最大の特徴は、原文の各編末に著者が25年後の視点で書いたコラムが追加されている点です。3人の子を産み育て、人生の紆余曲折を経た著者が、若い自分の文章を読み直しながら書いたコラムには、時間の重みと自己理解の深まりが凝縮されています。若いころの「疾走感」と25年後の「落ち着き」が同じページに共存している不思議な読書体験は、この完全版でしか味わえません。

母性という概念への問い

本書全体を通じて、「おっぱい」という一見単純なモチーフが、母性・身体・女性と社会の関係という大きなテーマへと広がっています。「良いおっぱい悪いおっぱい」というタイトル自体が、母親に課される「良い・悪い」という評価軸への皮肉と問いを内包しています。育児の現実を正直に書くことで、美化された母親像に疑問を投げかけ続けているのが本書の通奏低音です。

読んだ後に残ったこと

読む前は、タイトルのインパクトと「名エッセイ」という評判から、面白い読み物だろうという期待はありつつも、育児経験がない私(3歳の息子の父ですが)には少し距離感があるかと思っていました。

実際に読んで頭から離れなくなったのは、著者の若い頃の文章が持つ「割り切れなさ」です。育児の喜びが書かれていると同時に、疲弊や戸惑いや「自分は本当に良い母親なのか」という不安が、隠さずに書かれています。父親である自分からの視点でも、育児の現場でパートナーが感じているであろう葛藤に改めて思いを馳せるきっかけになりました。

読後、妻と育児について話す機会が少し増えました。「良い親でなければ」というプレッシャーをお互いに感じていたことを話すきっかけになり、本書が間接的に家族の対話を生んだ感じがします。

正直、ここが物足りなかった

伊藤比呂美の文体は詩的で独特なため、読む人によって「なんか文章がつかみにくい」と感じる場合があります。文学としての個性が強い分、エッセイとして「わかりやすい」を求める読者には向かないかもしれません。また、育児の文脈が非常に具体的なため、子育て経験が全くない方には共感が難しい場面もあります。

読者の評判・口コミ

楽天レビューでは21件の評価が集まり、平均4.1という高評価を得ています。「母親として読んで泣いた」「完全版で加筆部分が最高だった」という声が多く、育児経験のある読者からの共感が特に深い一冊です。批判的な意見としては「文体が独特で読みにくかった」という声があり、著者の詩的なスタイルが好みを分けている様子がうかがえます。

良い点

  • 母性と育児をめぐる感情の正直さと文学的な深み
  • 完全版で加筆されたコラムによる「時間の二層構造」
  • 美化された育児像に問いを投げかける視点の鋭さ

注意点

  • 実用的な育児情報は一切なく、文学・エッセイとして読む必要がある
  • 著者特有の詩的な文体に慣れるまで時間がかかる場合がある
  • 身体・授乳・女性の感情への赤裸々な描写に抵抗がある方には向かない

似た本と比べると

同じく育児エッセイとして評価が高い岸本佐知子・栗田有起らの作品と比べると、本書は詩人らしい言語の密度が際立っています。江國香織のエッセイのような柔らかな文体とも異なり、伊藤比呂美にしかない語りのリズムと温度があります。「育児書」ではなく「育児文学」として読むことが、本書を正確に受け取る方法です。

この本の前後に読む本

前に読む本:伊藤比呂美『ラニーニャ』 ── 著者の詩的な世界観・文体に先に触れておくと、本書の言語感覚が掴みやすくなる

後に読む本:大日向雅美『子育てと出会うとき』 ── 母性神話を社会学的に分析した本書で、伊藤比呂美が感覚的に問いかけていたテーマをより客観的に深く考察できる

読了データ

項目 内容
読了時間の目安 約4〜5時間
難易度 中級(文体への慣れが必要)
ページ数 約280ページ前後
こんな場面で読む 育児の疲れた夜・自分の子育てを振り返りたいとき

まとめ

『良いおっぱい悪いおっぱい完全版』は、育児をめぐる本音と詩的な言語が交差する、唯一無二のエッセイです。25年後の加筆が加わった完全版として、若いころの言葉と時間を経た声が共存する読書体験は、この本でしか味わえません。子育てをした・している方にとって、感情を言語化するきっかけになる一冊です。

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この記事を書いた人

ゆう

フリーライター

フリーライター。WEBビジネス歴10年以上。3歳の息子を持つパパでもあり、育児と仕事の合間に年間200冊以上を読破。「この本で世界の見方が変わった」という体験を読者と共有したいと思いこのサイトを始めました。