【要約&レビュー】『散るぞ悲しき』梯久美子——硫黄島に散った栗林忠道の「最後の電報」をたどる

レビュアー: ゆう

※本記事はAIを活用して作成しています。

散るぞ悲しき

散るぞ悲しき

著者: 梯 久美子

ジャンル: 歴史

★★★★★(5/5)
#歴史#ノンフィクション#梯久美子#硫黄島#太平洋戦争

3行で分かるこの本のポイント

  • 太平洋戦争最大の激戦・硫黄島で全滅まで戦い続けた司令官・栗林忠道——「散るぞ悲しき」という最後の電報に込められた言葉の意味を梯久美子が丁寧にたどる大宅壮一ノンフィクション賞受賞作
  • 「英雄でも悪人でもない、一人の人間」として栗林忠道を描く——戦場に散った将軍の人間的な側面——家族への手紙・部下への思い・戦争への葛藤を浮かび上がらせる
  • 硫黄島の戦いが問いかけるもの——日米双方が「勇敢な戦い」として語り継ぐ激戦が、後世に伝えるべき歴史の真実とは何か

この本はこんな人におすすめ

  • 太平洋戦争・硫黄島の歴史に関心がある方
  • 戦争の英雄譚ではなく人間の視点から戦争史を読みたい方
  • 大宅壮一ノンフィクション賞受賞作品を読みたい方
  • クリント・イーストウッド映画『父親たちの星条旗』『硫黄島からの手紙』を見た方

独自5段階評価

項目 スコア
読みやすさ ★★★★★
栗林忠道という人物の人間的描写の深さ ★★★★★
硫黄島の戦いの歴史的事実の正確さ ★★★★☆
「最後の電報」の言葉の意味への迫り方 ★★★★★
戦争ノンフィクションとしての文章力 ★★★★★

要約・内容紹介

「散るぞ悲しき」——最後の電報に込められた言葉

著者の梯久美子は戦争体験者の証言や記録に基づいたノンフィクション作品を多く手がける作家で、本書は第33回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞しています。本書のタイトルは栗林忠道が硫黄島の玉砕直前に打った最後の電報の一節から取られています。

「国の為重きつとめを果し得で矢弾尽き果て散るぞ悲しき——この電報の言葉が持つ意味を著者は丁寧にたどっていく——栗林忠道は本来の辞世の句の文法(散るぞ悲し)を意図的に「散るぞ悲しき」と変えた——この「き」の一文字に、著者は栗林の深い葛藤と悲しみを読み取る——たった一文字が変えたニュアンスを読み解くノンフィクションの手法が、本書を単なる戦記と差別化している」という著者の細かい読み取りが、本書の核心です。

英雄でも悪人でもない「一人の人間」として

本書は戦争英雄の美談でも告発でもありません。

「栗林忠道は戦前にアメリカへの留学経験があり、日米戦争に懐疑的だった——しかし軍人として命令には従った——家族への手紙には優しい父・夫の顔がある——硫黄島の部下への配慮を惜しまない指揮官でもあった——著者はこれらの事実を積み重ねながら、栗林を英雄としても犠牲者としても描かず、一人の人間として立体的に描く——この姿勢が本書を戦記ものの定番と区別する」という著者の視点が、本書の評価の高さの理由です。

硫黄島の戦いが問いかけるもの

本書は歴史の事実を通して現代への問いを投げかけます。

「硫黄島の戦いは日米双方が互いの勇敢さを称え合う珍しい戦場だ——クリント・イーストウッドは日米双方の視点からこの戦いを映画化した——しかし本書が問うのは勇敢さではなく、何のために戦い、何のために散ったのかという問いだ——栗林忠道が最後に感じた悲しみは何だったのか——この問いが本書を読み終えた後も引きずる」という本書の問いかけが、単なる歴史書を超えた深みを与えています。

実際に試してみた

クリント・イーストウッドの『硫黄島からの手紙』を見て栗林忠道という人物に興味を持ち、本書を手に取りました。映画では描かれなかった栗林の内面——特に家族への手紙の内容が印象的でした。

「散るぞ悲しき」という一文字の違いへの著者の読み取りに、ノンフィクションライターの仕事の精緻さを感じました。歴史の事実に向き合い、言葉の一つひとつを大切にする著者の姿勢が、本書の高い完成度を作っています。

読者の評判・口コミ

楽天レビュー118件前後、評価4.17と高評価。「栗林忠道という人物の魅力が伝わった」「大宅賞受賞の実力を感じた」という声が多い一方、「硫黄島の戦史を詳しく知りたい方には物足りない」「映画の補足として読むと良い」という批評も。

太平洋戦争史・ノンフィクション文学のファンから強く支持されており、「戦争を人間の視点から語る傑作ノンフィクション」として評価されています。

良い点

  • 「散るぞ悲しき」という言葉への精緻な読み取りによる感動的な構成
  • 英雄でも悪人でもない一人の人間として栗林を描く客観的な視点
  • 大宅壮一ノンフィクション賞受賞の高い文章力と調査の質

注意点

  • 硫黄島の戦闘経過の詳細を求める方には戦記としての記述が薄い
  • 太平洋戦争の基礎知識がある方がより深く楽しめる
  • 重いテーマのため気軽な読書としては向かない

この本の前後に読む本

前に読む本: 特なし。太平洋戦争・硫黄島の歴史の入門として手に取れます。

後に読む本: 特なし。本書で梯久美子の戦争ノンフィクションへの関心が深まったら、同著者の他作品も合わせて読むと作家の世界観への理解が深まります。

読了データ

項目 内容
ページ数 約280ページ
読了時間の目安 4〜6時間
図解・イラスト 写真あり
難易度 ★★☆☆☆(読みやすい)

まとめ

『散るぞ悲しき』は梯久美子が硫黄島司令官・栗林忠道の「最後の電報」の一文字に込められた言葉の意味を丁寧にたどった大宅壮一ノンフィクション賞受賞作です。戦争を英雄譚ではなく人間として語る——太平洋戦争史に関心がある方に薦める一冊です。

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この記事を書いた人

ゆう

フリーライター

フリーライター。WEBビジネス歴10年以上。3歳の息子を持つパパでもあり、育児と仕事の合間に年間200冊以上を読破。「この本で世界の見方が変わった」という体験を読者と共有したいと思いこのサイトを始めました。