【要約&レビュー】『チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷』塩野七生——15世紀イタリアを駆け抜けた野望の人の生涯
チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷
著者: 塩野 七生
ジャンル: 歴史
試し読みもできます
Amazonで『チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷』をチェックする3行で分かるこの本のポイント
- 15世紀イタリアを駆け抜けた野望の人——法王の庶子・チェーザレ・ボルジアがイタリア統一を夢見て権謀術数の限りを尽くした生涯
- マキャヴェリに『君主論』を書かせた男——「優雅なる冷酷」という矛盾した魅力を持つ歴史上最も謎めいた人物の一人を塩野七生が活写
- 塩野七生・初期の傑作——デビュー作にして代表作・圧倒的な筆致でルネサンス・イタリアの権力闘争を描く
この本はこんな人におすすめ
- イタリア・ルネサンス史に興味がある方
- 塩野七生の作品を読んだことがない方(入門に最適)
- 権謀術数・政略・歴史上の人物に関心がある方
- 「強い人間像」「生き方の覚悟」に触れたい方
独自5段階評価
| 項目 | スコア |
|---|---|
| 読みやすさ | ★★★★☆ |
| 歴史描写の鮮やかさ | ★★★★★ |
| チェーザレという人物の魅力の伝わり方 | ★★★★★ |
| 塩野七生の文章の迫力 | ★★★★★ |
| 歴史的背景の説明の充実度 | ★★★☆☆ |
要約・内容紹介
「優雅なる冷酷」——チェーザレ・ボルジアという人物
チェーザレ・ボルジアは15世紀末のイタリアに生まれた。父は法王アレクサンデル6世——その庶子として教会勢力を背後に持ち、フランス王の援助を得て、群立するイタリアの都市国家を統一しようと動いた人物です。
「優雅なる冷酷」というサブタイトルは、チェーザレという人物の本質を鋭く突いています。「残酷な手段を用いながら、それを嫌悪させない魅力を持つ——この矛盾した人格が、マキャヴェリをはじめ多くの人間を惹きつけた」という塩野七生の分析が秀逸です。
マキャヴェリが見た「理想の君主」
この本の読みどころの一つは、チェーザレとマキャヴェリの関係です。マキャヴェリは実際にチェーザレと会い、その統治を目撃し、後に『君主論』を書きました。「チェーザレこそ理想の君主の体現者だった——マキャヴェリはその姿に政治の本質を見た」という視点が本書を単なる伝記以上のものにします。
「道徳ではなく現実の力学で動く世界——チェーザレはその世界の法則を最も純粋に体現した存在だった」という塩野七生の洞察が読者の思考を刺激します。
塩野七生のデビュー作にして代表作
本書は塩野七生のデビュー作です。「ローマ人の物語」で知られる著者の原点がここにあります。「イタリアへの深い愛と理解——それがルネサンスの権力闘争を美しく描き切る文章力に結実している」という読み方もできます。
読んだ後に残ったこと
「優雅なる冷酷」という言葉が頭から離れません。チェーザレという人物は、現代の視点から見れば残酷極まりない——しかし、それを「悪い」と単純に裁断できない複雑さがある。
「時代と状況が人間に何をさせるか」という問いを突きつけてくる歴史小説だと思います。塩野七生の文章には、歴史上の人物を生き生きと目の前に立たせる力があります。
読者の評判・口コミ
楽天レビュー181件前後、評価4.0前後と高評価。「塩野七生の筆力に圧倒された」「チェーザレという人物に惹かれた」という声が多数。「歴史的背景の説明が不足していると感じる場合もある」という声も。
塩野七生ファンを中心に読まれており、「塩野七生を読むきっかけになった一冊」という声も多いです。
良い点
- 塩野七生の圧倒的な筆力でチェーザレが生き生きと描かれる
- ルネサンス・イタリアの権力闘争の魅力を堪能できる
- 「君主論」の背景を知る副読本としても価値が高い
注意点
- イタリア・ルネサンス史の基礎知識があると楽しさが増す
- 登場人物が多く、初読では混乱する場合もある
- 塩野七生の著作の中では比較的短いが、読み込む必要がある
この本の前後に読む本
前に読む本: 特になし。塩野七生入門として本書から始めても問題ありません。
後に読む本: 特になし。本書でイタリア・ルネサンスに興味を持った方は「ローマ人の物語」にも進んでみてください。
読了データ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ページ数 | 約280ページ |
| 読了時間の目安 | 4〜5時間 |
| 図解・イラスト | なし |
| 難易度 | ★★★☆☆(やや難しい) |
まとめ
『チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷』は、15世紀イタリアの権力闘争を駆け抜けたチェーザレ・ボルジアの生涯を塩野七生が描いた傑作伝記小説です。「優雅なる冷酷」という矛盾した魅力を持つ歴史上の怪物——マキャヴェリに『君主論』を書かせたその生涯が、圧倒的な筆力で描かれています。
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Amazonで『チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷』をチェックするこの記事を書いた人
ゆう
フリーライター
フリーライター。WEBビジネス歴10年以上。3歳の息子を持つパパでもあり、育児と仕事の合間に年間200冊以上を読破。「この本で世界の見方が変わった」という体験を読者と共有したいと思いこのサイトを始めました。