【要約&レビュー】『夜を乗り越える』又吉直樹——「芥川賞作家はいかにして本と出会ったか」文学と孤独の処方箋

レビュアー: ゆう
夜を乗り越える

夜を乗り越える

著者: 又吉直樹

ジャンル: エッセイ

★★★★(4/5)
#エッセイ#又吉直樹#読書論#文学#孤独

3行で分かるこの本のポイント

  • 芥川賞作家・又吉直樹の「読書論」——「なぜ本を読むのか」「本は孤独をどう救うか」を太宰・中也・漱石への愛を込めて語る
  • 「夜を乗り越える」という言葉の意味——暗い夜・孤独な時間・死にたい気持ちを、文学が「乗り越えさせてくれた」という告白
  • お笑い芸人から小説家へ——「火花」誕生の背景にある又吉直樹の「本との歴史」が丁寧に語られる、唯一無二の読書エッセイ

この本はこんな人におすすめ

  • 又吉直樹のファン・文章ファン
  • 「なぜ本を読むのか」という問いを持っている方
  • 文学・小説の世界に入りたい方
  • 孤独や苦しい夜を乗り越えた体験がある方

独自5段階評価

項目 スコア
読みやすさ ★★★★★
「本への愛」の伝わり方 ★★★★★
又吉直樹という人間の深さ ★★★★★
読書を始めるきっかけとしての力 ★★★★☆
読後の余韻 ★★★★☆

要約・内容紹介

「夜」との出会い——文学との出会い

本書は又吉直樹が10代・20代に「夜を乗り越えるために」本を読んできた歴史の記録です。友達ができない夜・うまくいかない仕事の夜・「自分は何のために生きているのか」という夜——これらを太宰治・中原中也・夏目漱石が「乗り越えさせてくれた」と語ります。

「本は友達であり、先生であり、薬だった」——この言葉が本書全体の核心です。

太宰・中也への偏愛

本書の読みどころの一つは又吉直樹の「太宰治・中原中也への偏愛」です。「なぜ太宰治が好きなのか」「中原中也の詩がなぜ刺さるのか」を又吉直樹の言葉で語る章は、文学評論でありながら告白文学の読み心地があります。

「芥川賞作家が影響を受けた本」という視点で、読んだことがない作品への興味が自然に湧いてきます。

「書くこと」への繋がり

本書の後半では「なぜ自分が小説を書くようになったか」が語られます。読書が積み重なって「自分も書きたい」という衝動が生まれた過程——「火花」誕生の背景にある又吉直樹の内側が見えてきます。

「読者から作家へ」という変容の軌跡が、読む人の「何か作りたい」という気持ちを刺激します。

読んだ後に残ったこと

「夜を乗り越える」という言葉は、読み終えた後により深く響きました。自分にも「本に救われた夜」があったことを思い出しました。

又吉直樹が10代に太宰治に救われたように、誰かの10代の孤独な夜に届く言葉を書きたい——そういう気持ちが読書エッセイとして昇華された一冊だと感じます。

読者の評判・口コミ

楽天レビュー246件前後、評価4.3前後と高評価。「又吉直樹への見方が変わった」「本が読みたくなった」「孤独な夜に読むべき本」という声が多数。

「内容が薄い」という声もありますが、又吉直樹の「本への愛」を受け取るための本として読むと、十分な深さがあります。

良い点

  • 本への愛が素直に伝わってくる
  • 芥川賞作家の「読書歴」として面白い
  • 文学に興味を持つきっかけになる

注意点

  • 「読書術・読書法」の実用書ではない
  • 又吉直樹の感性に合わない場合は入りにくい
  • 文学入門としてはやや偏りがある(太宰・中也偏重)

この本の前後に読む本

前に読む本: 特になし。「火花」を先に読んでから本書を読むと、作家・又吉直樹の背景が立体的に見えます。

後に読む本: 特になし。本書で紹介される太宰治・中原中也の作品に進むことをおすすめします。

読了データ

項目 内容
ページ数 約190ページ
読了時間の目安 2〜3時間
図解・イラスト なし
難易度 ★☆☆☆☆(非常に読みやすい)

まとめ

『夜を乗り越える』は、又吉直樹が「孤独な夜を文学が救ってくれた」という体験を語った読書エッセイです。太宰・中也・漱石への偏愛と、「読書が書くことへと繋がった」軌跡——本が好きな人なら深く共感できる、又吉直樹の文学愛の全記録です。

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この記事を書いた人

ゆう

フリーライター

フリーライター。WEBビジネス歴10年以上。3歳の息子を持つパパでもあり、育児と仕事の合間に年間200冊以上を読破。「この本で世界の見方が変わった」という体験を読者と共有したいと思いこのサイトを始めました。