【要約&レビュー】『走ることについて語るときに僕の語ること』村上春樹がランニングを通して語る創作と人生の哲学

レビュアー: ゆう
走ることについて語るときに僕の語ること

走ることについて語るときに僕の語ること

著者: 村上 春樹

ジャンル: エッセイ

★★★★(4/5)
#エッセイ#村上春樹#ランニング#創作論

3行で分かるこの本のポイント

  • 1982年から走り続ける村上春樹がランニングを通して語る創作・継続・加齢の哲学
  • 「少なくとも最後まで歩かなかった」——フルマラソン・トライアスロンへの挑戦と小説家の覚悟
  • 走ることと書くことの相似——村上春樹の内面に迫る珍しいエッセイ集

この本はこんな人におすすめ

  • 村上春樹作品のファン
  • ランニングを趣味にしている方・始めたい方
  • 「継続すること」の意味を考えたい方
  • 創作・表現活動をしている方

独自5段階評価

項目 スコア
読みやすさ ★★★★★
村上春樹らしさ ★★★★★
走ることへの共感 ★★★★☆
創作論としての深み ★★★★☆
繰り返し読みたい度 ★★★★☆

要約・内容紹介

走ることと書くことは相似している

本書は、村上春樹さんが1982年の専業作家転身と同時に走り始めてから、フルマラソン・トライアスロンに挑戦し続けてきた記録です。単なるランニング日記ではなく、「なぜ走り続けるのか」という問いを通じて、小説家としての創作哲学が語られます。

「走ることと書くことは似ている」——孤独の中で一人黙々と続ける行為、タイムという現実との戦い、加齢による体力の衰えと作家としての老い——これらが重なり合って、村上春樹という作家の内面が珍しく開示されます。

「少なくとも最後まで歩かなかった」

本書に出てくる言葉で最も印象的なのが「もし僕の墓碑銘があるとしたら、『少なくとも最後まで歩かなかった』と刻んでもらいたい」という一文。タイムや順位より、最後まで走り続けることを選ぶ——その姿勢が、小説家として長く書き続けることへの覚悟と重なります。

タフでなければ作家を続けられない、という村上春樹の静かな矜持が伝わってくる言葉です。

加齢との正直な対話

本書の後半は、体力の衰えとどう向き合うかというテーマが増えていきます。速く走れなくなってきた自分、以前のように書けなくなってきた自分——そこに正直に向き合う村上春樹の姿は、読者を勇気づけると同時に、加齢という現実を静かに受け入れさせてくれます。

実際に試してみた

本書を読んで以来、フリーライターとしての「継続」を走ることに例えて考えるようになりました。原稿が書けない日も、「少なくとも机に向かうことは続ける」という姿勢は、本書から得た発想です。

走ること自体は始めてみましたが、すぐ膝が痛くなって断念しました(笑)。ただ「継続の思想」として本書の哲学は今も生きています。村上春樹のエッセイとして、小説とは違う素顔が見える点でも貴重な一冊です。

読者の評判・口コミ

楽天レビュー474件超え、評価4.3と高評価。「走る人も走らない人も楽しめる」「村上春樹の新しい側面が見えた」「継続することへの勇気をもらった」という声が多いです。

「ランニングに興味がないと入りにくい部分も」という意見もありますが、走ることを媒介にした人生論として幅広い支持を得ています。

良い点

  • 村上春樹の内面を垣間見られる稀なエッセイ
  • 「継続すること」への哲学が響く
  • ランナーでなくても楽しめる普遍的な内容

注意点

  • ランニングに全く興味がないと入りにくい部分も
  • 村上春樹の小説より地味な印象を持つ方も
  • 後半は加齢の話が多く少し重い

この本の前後に読む本

前に読む本: 村上春樹の小説作品(ノルウェイの森など)。著者の小説世界を知った上で読むと、創作論としての深みが増します。

後に読む本: 『そして生活はつづく』。星野源のエッセイも「日常を続けること」がテーマで、読後の余韻が似ています。

読了データ

項目 内容
ページ数 約192ページ
読了時間の目安 2〜3時間
図解・イラスト なし
難易度 ★★☆☆☆(読みやすい)

まとめ

『走ることについて語るときに僕の語ること』は、村上春樹がランニングを通じて語る、創作・継続・加齢の哲学エッセイです。走ることと書くことの相似に、作家の覚悟が滲む。村上作品ファンなら必ず読んでほしい一冊です。

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この記事を書いた人

ゆう

フリーライター

フリーライター。WEBビジネス歴10年以上。3歳の息子を持つパパでもあり、育児と仕事の合間に年間200冊以上を読破。「この本で世界の見方が変わった」という体験を読者と共有したいと思いこのサイトを始めました。