【要約&レビュー】『不道徳教育講座』三島由紀夫——「嘘をつくべし」「約束を守るなかれ」逆説のウィットで人間の本質を射抜く
不道徳教育講座
著者: 三島 由紀夫
ジャンル: エッセイ
試し読みもできます
Amazonで『不道徳教育講座』をチェックする3行で分かるこの本のポイント
- 「大いにウソをつくべし」「約束を守るなかれ」「沢山の悪徳を持て」——世の良識家の度肝を抜く命題を並べた三島由紀夫流・逆説の道徳論
- 不道徳を勧めているように見えて、その底に「人間への深い洞察と愛情」がある——逆説とウィットで本当の道徳を問い直す知的な挑発
- 昭和を代表する文豪のエッセイとして——小説とは異なる三島由紀夫の「素の声」を楽しめる、文学的エッセイの傑作
この本はこんな人におすすめ
- 三島由紀夫の小説・思想に興味がある方
- 逆説的な思考・議論が好きな方
- 「道徳とは何か」を問い直したい方
- 昭和の知識人のエッセイを楽しみたい方
独自5段階評価
| 項目 | スコア |
|---|---|
| 読みやすさ | ★★★☆☆ |
| 逆説のウィットと切れ味 | ★★★★★ |
| 三島由紀夫の文体の独自性 | ★★★★★ |
| 現代への読み替えの豊かさ | ★★★★☆ |
| 読後の余韻 | ★★★★☆ |
要約・内容紹介
「不道徳」という逆説
本書のタイトル『不道徳教育講座』は、当然ながら「不道徳を推奨する」本ではありません。「大いにウソをつくべし」「約束を守るなかれ」「沢山の悪徳を持て」——これらの命題は逆説です。
三島由紀夫が問いかけているのは「建前の道徳に縛られ、本質的な人間理解を失っていないか」という問いです。逆説を通して、世間の「常識的な道徳」の空虚さを暴き出します。
昭和の空気と普遍的な人間論
本書が書かれたのは昭和30年代ですが、内容は驚くほど普遍的です。「約束を守らなければならない」という強迫観念・「人に迷惑をかけてはいけない」という同調圧力——これらは現代においてもむしろ強化されています。
三島が昭和に批判したものは、令和においても「違う形で」存在しています。
文豪の「素の声」を楽しむ
三島由紀夫の小説(「金閣寺」「仮面の告白」など)は難解なイメージを持つ方も多いですが、本書のエッセイは軽妙で読みやすいです。ウィットに富んだ文体・辛辣な観察・時折見える自己批評——小説とは異なる「素の三島由紀夫」が楽しめます。
読んだ後に残ったこと
「不道徳」という言葉を武器に、三島由紀夫は「本当の人間の在り方」を問い続けています。逆説の論法が面白いのですが、読み終わってから「自分はどれだけ建前の道徳に縛られているか」を静かに問い直す時間がありました。
「正直さ」と「建前上の道徳」の間にある緊張——この問いは現代にも生きています。フリーライターとして「書けないこと」の壁を感じるたびに、三島のこの逆説が頭をよぎります。
読者の評判・口コミ
楽天レビュー249件前後、評価4.1前後と高評価。「三島由紀夫の切れ味が楽しかった」「逆説の面白さに引き込まれた」という声が多数。
「現代の感覚で読むと違和感がある」という批評もありますが、時代の空気が違うからこそ見える「普遍的な問い」が本書の価値です。
良い点
- 三島由紀夫のウィットと逆説的レトリックが楽しめる
- エッセイ形式のため三島入門としても最適
- 読後に「道徳とは何か」を問い直せる
注意点
- 昭和の時代観が反映されているため現代とのギャップがある
- 「不道徳を勧める本」と誤解する人がいる
- 三島由紀夫の文体に馴染みがないと入りにくい部分がある
この本の前後に読む本
前に読む本: 特になし。三島由紀夫の入門としてエッセイから始めるのに最適です。
後に読む本: 特になし。本書が面白かった方は三島由紀夫の小説「金閣寺」「仮面の告白」にも進むことをおすすめします。
読了データ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ページ数 | 約250ページ |
| 読了時間の目安 | 3〜4時間 |
| 図解・イラスト | なし |
| 難易度 | ★★★☆☆(文体に慣れが必要) |
まとめ
『不道徳教育講座』は、「大いにウソをつくべし」「約束を守るなかれ」という逆説的な命題を並べた三島由紀夫のエッセイ集です。不道徳を装いながら本当の人間の在り方を問う逆説のウィット——三島由紀夫の切れ味鋭い観察眼が存分に楽しめる、文学的エッセイの傑作です。
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Amazonで『不道徳教育講座』をチェックするこの記事を書いた人
ゆう
フリーライター
フリーライター。WEBビジネス歴10年以上。3歳の息子を持つパパでもあり、育児と仕事の合間に年間200冊以上を読破。「この本で世界の見方が変わった」という体験を読者と共有したいと思いこのサイトを始めました。